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第28回(令和7年度)

保健医療サービスの知識等

問題26〜45・20問

書籍の中の文字や単語、文章を選択すると、その場でAI検索に行くことができます。

解説の中の色のついた語は、押すと意味が出ます。

問題26

次の記述のうち,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・2・3

の用語を問う問題です。似た言葉が並ぶので、何が落ちている状態なのかで整理します。

ポイントは次の3つです。

  • サルコペニアは、加齢に伴って筋肉量が減り、筋力や身体機能が低下した状態です。
  • フレイルには3つの側面があります。身体的フレイル(体重減少、疲労感、歩行速度の低下、握力の低下、活動量の低下)、精神・心理的フレイル(意欲の低下、抑うつ、の低下)、社会的フレイル(閉じこもり、孤立、経済的な困窮)です。社会参加しやすい環境づくりは、社会的フレイルの予防になります。
  • は口の機能の衰えを指します。滑舌が悪くなる、食べこぼす、わずかにむせる、かたいものが食べにくくなるといった小さな変化から始まり、放っておくとやサルコペニアにつながります。

また、フレイルは適切な働きかけによって健康な状態に戻りうる、可逆性のある状態です。これがフレイルという概念の要点です。したがって1・2・3が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。サルコペニアとは、加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態をいいます。ギリシャ語の「筋肉」と「減少」を組み合わせた言葉です。握力の低下や歩行速度の低下が判定の目安として用いられます。
  2. 〇適切です(正答)。体重減少は身体的フレイルの重要な目安です。意図しない体重減少(6か月で2kg以上)、疲労感、歩行速度の低下、握力の低下、活動量の低下という5つの項目のうち、3つ以上に当てはまるとフレイルと判定する考え方が広く使われています。
  3. 〇適切です(正答)。社会的フレイルとは、閉じこもりや人とのつながりの減少、社会的役割の喪失といった側面から生じる虚弱です。や地域活動など、社会参加しやすい環境をつくることは、その予防に直接つながります。
  4. ✕不適切です。オーラルフレイルとは、口の機能の衰えのことです。滑舌が悪くなる、食べこぼす、わずかにむせる、かたいものが食べにくくなるといった変化から始まり、放っておくと食べる量が減って低栄養やサルコペニアへ進みます。心理的認知的フレイルとは別のものです。
  5. ✕不適切です。フレイルは、適切な働きかけによって健康な状態に戻りうる、可逆性のある状態です。だからこそ早く気づいて手を打つことが重視されます。回復することはないという記述は、フレイルという考え方そのものと反します。

問題27

次の記述のうち,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・4・5

日常生活の援助に関する基本を問う問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 入浴は体を清潔に保つだけでなく、温熱の作用で血液の循環をよくし、新陳代謝を促します。リラックスや安眠にもつながる大切な生活行為です。
  • 口腔内を清掃するときは義歯を外します。義歯を付けたままでは、義歯の下の粘膜も義歯そのものも清掃できません。
  • 膀胱留置の蓄尿バッグは、必ず膀胱より低い位置に固定します。同じ高さや高い位置にすると、尿が膀胱へ逆流して尿路感染を起こす危険があります。

また、痛み、かゆみ、咳、呼吸困難、頻尿といった身体の症状は睡眠障害の大きな原因になります。眠れないという訴えの背景に身体の不調がないかを確かめる視点が必要です。したがって1・4・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。入浴は全身の保清を図るとともに、温熱の作用によって血液循環や新陳代謝を促進します。心身の緊張をほぐし、睡眠にもよい影響を与えます。一方で血圧の変動やにも注意が必要で、入浴前後の状態観察が欠かせません。
  2. ✕不適切です。口腔内を清掃する際は義歯を外します。義歯を装着したままでは、義歯の下の粘膜も義歯自体も清掃できず、汚れが残って口腔内の細菌が増えます。外した義歯は義歯用ブラシで流水を使って洗います。
  3. ✕不適切です。蓄尿バッグは、必ず膀胱よりも低い位置に固定します。同じ高さや高い位置にすると、たまった尿が膀胱へ逆流し、を起こす危険があります。移動や移乗の際も、バッグが膀胱より高くならないよう注意します。
  4. 〇適切です(正答)。杖、歩行器、車いす、スライディングボードなど、その人に合った移動補助具を導入することは、本人の自立を支えると同時に、介護する側の身体的な負担を軽くします。介護者の腰痛予防という観点からも重要です。
  5. 〇適切です(正答)。痛み、かゆみ、咳、呼吸困難、頻尿といった身体の症状は、睡眠を妨げる大きな原因になります。眠れないという訴えに対して、すぐ睡眠薬を考えるのではなく、まず身体の不調が背景にないかを確かめることが大切です。

問題28

褥瘡について適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・3・4

(床ずれ)についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 褥瘡から細菌が入り込むと、感染が深部に及んで骨髄炎やといった重い状態に進むことがあります。皮膚の傷にとどまらない問題です。
  • 褥瘡は寝ているときだけに生じるものではありません。半座位では仙骨部や尾骨部、座位では坐骨結節部に体重が集中し、ずれの力も加わるため、むしろできやすい姿勢です。
  • は褥瘡の重要な発生要因です。たんぱく質やエネルギーが不足すると皮膚や皮下組織がもろくなり、できた褥瘡も治りにくくなります。

また、排泄物による皮膚の湿潤(おむつの中の蒸れや尿・便の付着)は皮膚のバリアを弱め、褥瘡ができやすくなります。入浴は皮膚を清潔に保ち血行をよくするため、状態に応じて行うほうがよく、禁止されるものではありません。したがって1・3・4が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。褥瘡で皮膚のバリアが破れると、そこから細菌が入り込みます。感染が深部に及ぶと、骨髄炎や敗血症といった命に関わる状態に進むことがあります。褥瘡は全身状態を左右する問題として捉える必要があります。
  2. ✕不適切です。半座位や座位でも褥瘡は生じます。半座位では仙骨部や尾骨部に体重が集中し、身体がずり落ちることでずれの力も加わります。座位では坐骨結節部にできやすくなります。座っていれば安心ということはなく、座位でも定期的な除圧が必要です。
  3. 〇適切です(正答)。低栄養は褥瘡の発生要因の一つです。たんぱく質やエネルギー、亜鉛やビタミンが不足すると、皮膚や皮下組織がもろくなり、傷の治りも遅くなります。体位変換や体圧分散寝具とあわせて、栄養状態を確かめることが予防の柱になります。
  4. 〇適切です(正答)。尿や便による皮膚の湿潤は、皮膚をふやけさせてバリア機能を弱め、摩擦にも弱くします。そこに圧迫が加わることで褥瘡が生じやすくなります。排泄後の速やかな交換と洗浄、保湿と保護が予防になります。
  5. ✕不適切です。褥瘡があっても入浴は禁止されません。皮膚を清潔に保ち、血行をよくすることは治癒にとってよい影響があります。傷の状態に応じて、洗い方や被覆材の扱いを医療職と相談しながら行います。

問題29

次の記述のうち,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 3・4・5

の考え方と、実際の場面での工夫を問う問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 終末期にもリハビリテーションは行われます。安楽な姿勢を保つ、痛みやを防ぐ、呼吸を楽にする、最期まで自分でできることを支えるといった目的があります。
  • を対象とするサービスです。要介護1の人は通所リハビリテーションを利用します。
  • 退院後の計画は、入院中に何をどこまで行い、どこまで戻ったのかという情報を踏まえて作ります。振り出しに戻さないための連携です。

また、のある人の移乗では、健側(麻痺のない側)に車いすを置くと、健側の手足を使って安全に動けます。歩行障害に対しては、杖や装具の活用を検討します。したがって3・4・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. ✕不適切です。終末期にもリハビリテーションは行われます。関節の拘縮や痛みを防ぐ、安楽な姿勢を保つ、呼吸を楽にする、最期まで自分でできることを支えるといった目的があり、生活の質を保つうえで意味を持ちます。行ってはならないという記述は誤りです。
  2. ✕不適切です。介護予防通所リハビリテーションは要支援1・2の人を対象とするです。要介護1の人が利用するのは通所リハビリテーションです。の区別を問う選択肢です。
  3. 〇適切です(正答)。退院後の訪問リハビリテーション計画を作るときは、入院中にどのようなリハビリテーションが行われ、どこまで機能が戻ったのかという情報を把握します。これがないと、すでにできるようになったことをやり直すことになったり、逆に危険な負荷をかけたりしかねません。
  4. 〇適切です(正答)。片麻痺のある人がベッドから車いすに移乗する場合は、健側(麻痺のない側)に車いすを置きます。健側の手で車いすの肘掛けをつかみ、健側の足に体重をかけて立ち上がり、健側を軸に向きを変えることで、安全に移乗できます。
  5. 〇適切です(正答)。歩行障害に対するリハビリテーションでは、訓練だけでなく杖や装具の活用を検討します。適切な補助具を使うことで、安全に歩ける距離が延び、活動の範囲が広がります。転倒の予防にもつながります。

問題30

認知症やそのケアについて適切なものはどれか。 2つ選べ。

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正答 1・2

の基本的な用語と考え方を問う問題です。

ポイントは次の3つです。

  • (MCI)は、の低下はあるが日常生活は自立している状態です。認知症に移行する人もいれば、変わらない人、健常な状態に戻る人もいます。
  • 認知症の症状は、(BPSD)に分けられます。中核症状は脳の細胞が壊れることで直接生じるもので、記憶障害、見当識障害、理解・判断力の障害、実行機能障害などがこれに当たります。
  • は、認知症の人を一人の人として尊重し、その人の視点や立場に立って行うケアの考え方です。介護者本位でも効率優先でもなく、まったく逆の考え方です。

また、は、認知症が疑われる人や家族を訪問して初期の集中的な支援を行うもので、行方不明者の捜索の仕組みではありません。などで行われるもので、の給付対象サービスではありません。したがって1・2が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。軽度認知障害(MCI)は、記憶などの認知機能に低下があるものの、日常生活は自立している状態です。認知症に移行することもありますが、変わらない人や健常な状態に戻る人もいます。早い段階で運動や社会参加などに取り組む意味があるとされる段階です。
  2. 〇適切です(正答)。記憶障害や見当識障害は認知症の中核症状です。中核症状は脳の細胞が壊れることによって直接生じる症状で、ほかに理解・判断力の障害、実行機能障害、失語・失行・失認などがあります。不安や興奮、徘徊、妄想といった行動・心理症状(BPSD)とは区別します。
  3. ✕不適切です。パーソン・センタード・ケアは、認知症の人を一人の人として尊重し、その人の視点や立場に立って理解しようとするケアの考え方です。イギリスのトム・キットウッドが提唱しました。介護者本位で効率を優先する考え方とは正反対です。
  4. ✕不適切です。認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や認知症の人とその家族を複数の専門職が訪問し、おおむね6か月を目安に集中的な支援を行って、適切な医療や介護につなげる仕組みです。行方不明者を捜索するためのものではありません。
  5. ✕不適切です。認知症カフェは、認知症の人とその家族、地域の人、専門職が集って交流する場で、地域支援事業などで実施されています。介護保険の給付対象のサービスではありません。

問題31

次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・2・3

高齢者の精神症状についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • の誘因には、身体の不調(、感染、、痛み)、薬剤、そして環境の変化があります。入院や施設入所は環境の変化として代表的な誘因です。
  • 高齢者は、腎機能や肝機能の低下によって薬が体内にとどまりやすく、複数の薬を飲んでいることも多いため、薬剤によって精神症状(せん妄、抑うつ、幻覚など)を生じやすくなります。
  • の陽性症状には幻覚と妄想があります。幻聴が代表的です。

また、の危険因子であり、合併することがあります。老年期では、貧困妄想、罪業妄想、心気妄想といった妄想を伴うことが少なくありません。したがって1・2・3が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。せん妄の誘因の一つに、入院や施設入所などの環境の変化があります。慣れない場所、見慣れない人、変わった生活リズムが負荷となって、意識の混乱が生じます。だからこそ、環境を変えるときには、なじみのものを持ち込むなどの配慮が重要になります。
  2. 〇適切です(正答)。高齢者では、腎機能や肝機能の低下によって薬が体内にとどまりやすく、また複数の薬を服用していることも多いため、薬剤によって精神症状を生じやすくなります。睡眠薬、抗不安薬、抗コリン作用のある薬、ステロイドなどが知られています。
  3. 〇適切です(正答)。統合失調症の症状には、幻覚や妄想といった陽性症状と、感情の平板化や意欲の低下といった陰性症状があります。幻覚のうち幻聴が最も多くみられます。高齢期に発症することは多くありませんが、若い頃に発症した人が高齢期を迎える場合があります。
  4. ✕不適切です。アルコール依存症は認知症の危険因子であり、合併することがあります。長期の多量飲酒は脳の萎縮を招き、ビタミンB1の欠乏によるウェルニッケ脳症からコルサコフ症候群に至ることもあります。合併することはないという記述は誤りです。
  5. ✕不適切です。老年期うつ病では、妄想を伴うことが少なくありません。お金がなくなってしまうという貧困妄想、自分が罪を犯したという罪業妄想、重い病気にかかっているという心気妄想が代表的です。

問題32

診断や治療について適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・3・5

診断と治療の基本的な考え方を問う問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 診断も治療も、医学的な根拠に基づいて行うことが基本です(根拠に基づく医療)。
  • 検査は、得られる情報の価値と、患者の身体的な負担や危険とを比べて行います。負担の少ないものから順に進めるのが原則です。
  • 治療は診断に基づいて行います。何の病気かを見きわめないまま治療を始めれば、効果がないばかりか害になることもあります。

また、とは今後の見通し(病気がどう経過し、どのような結果になると見込まれるか)のことであり、現在の状態ではありません。検査を行う際にもは必要です。したがって1・3・5が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。診断も治療も、医学的な根拠に基づいて行うことが重要です。個人の経験や思い込みではなく、研究によって確かめられた根拠と、患者の価値観、医療者の専門性を合わせて判断するという考え方(根拠に基づく医療)が土台になっています。
  2. ✕不適切です。予後とは、病気がこの先どのように経過し、どのような結果になると見込まれるかという見通しのことです。現在の状態のことではありません。にとっても、予後の見通しは生活を組み立てるうえで欠かせない情報です。
  3. 〇適切です(正答)。検査は、得られる情報の価値と、患者の身体的な負担や危険とを比べたうえで行います。高齢者では、造影剤や被曝、絶食や長時間の同一姿勢が大きな負担になることもあり、負担の少ない検査から順に進めるのが原則です。
  4. ✕不適切です。検査を行う際にもインフォームド・コンセントは必要です。何のための検査か、どのような負担や危険があるか、結果をどう使うのかを説明し、患者の同意を得たうえで行います。治療のときだけ必要になるものではありません。
  5. 〇適切です(正答)。治療は診断に基づいて行うことが重要です。原因を見きわめずに症状だけを抑えれば、背後にある病気を見逃したり、かえって状態を悪くしたりすることがあります。診断があって初めて、適切な治療を選べます。

問題33

栄養・食生活について適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・2・4

食事と栄養の支援についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 体重減少はの代表的な徴候です。特別な検査をしなくても継続して測れるため、実際の支援の場面で最も使いやすい指標になります。
  • 食事の介護のでは、食べる量や内容だけでなく、摂食動作(食器を持つ、箸やスプーンを使う、口へ運ぶ、噛む、飲み込む)を一つひとつ確かめます。どの段階でつまずいているかによって、必要な支援が変わるからです。
  • は、口の中の細菌を含む唾液や食べ物が気道に入ることで起こります。で口の中の細菌を減らすことが、予防として最も重要です。

また、食事介助では頭部を後ろに反らせる姿勢(頭部後屈)は気道が開いてしやすくなるため避け、やや前かがみのあごを引いた姿勢をとります。食間とは、食事と食事の間(食後2時間ほど)であり、食事中ではありません。したがって1・2・4が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。体重減少は低栄養の徴候の一つです。6か月で2から3kg以上、あるいは通常の体重の5%以上の減少があれば、低栄養を疑う目安になります。定期的に測って記録しておくことが、早い気づきにつながります。
  2. 〇適切です(正答)。食事の介護のためのアセスメントでは、摂食動作を確認します。食器を持てるか、箸やスプーンを使えるか、口まで運べるか、噛めるか、飲み込めるか。どの段階に困難があるかによって、自助具を使う、食形態を変える、姿勢を整えるなど、必要な支援が変わります。
  3. ✕不適切です。頭部を後ろに反らせる姿勢(頭部後屈)は、気道がまっすぐに開いて誤嚥しやすくなるため避けます。食事介助では、あごを引いてやや前かがみになる姿勢(頸部前屈)をとると、食べ物が気道へ入りにくくなります。介助者が立ったまま上から食べさせると自然に頭部後屈になるため、目線の高さを合わせて座ることが大切です。
  4. 〇適切です(正答)。誤嚥性肺炎の予防には口腔ケアが重要です。誤嚥性肺炎は、口の中の細菌を含む唾液や食べ物が気道に入ることで起こります。口腔ケアによって口の中の細菌を減らすことが、直接の予防になります。口から食べていない人でも同じです。
  5. ✕不適切です。食間とは、食事と食事の間、おおむね食後2時間ほどの空腹時のことです。食事中に服用することではありません。言葉のとおりに受け取って食事中に飲んでしまう誤解が起こりやすいため、服薬の支援では確かめておきたい点です。

問題34

次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・4・5

在宅医療に関わる知識を問う問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 在宅医療は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、専門職、、介護職員など多くの職種が関わって成り立ちます。連携の要になるのが介護支援専門員です。
  • 腹膜透析は、自宅で行えることが大きな特徴です。おなかに入れた透析液を一定時間ごとに交換する方法で、通院は一般に月1~2回程度と血液透析に比べて少なく、生活の自由度が高いという利点があります。
  • は、鎖骨下静脈などからを入れ、心臓に近い太い静脈()に高カロリーの点滴栄養剤を入れる方法です。

また、があっても入浴はできます。は指先などに装着して血液中のと脈拍を測る機器です。したがって1・4・5が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。在宅医療は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、等、管理栄養士、介護支援専門員、介護職員など、多くの職種が関わって成り立ちます。それぞれが持つ情報をつなぎ、方針をそろえる連携が欠かせません。
  2. ✕不適切です。腹膜透析は、自宅で行えることが大きな特徴です。おなかの中に入れた透析液を一定時間ごとに交換する方法で、日中に数回交換する方法や、就寝中に機械で自動的に行う方法があります。通院は一般に月1~2回程度と血液透析に比べて少なく、生活の自由度が高いという利点があります。
  3. ✕不適切です。胃ろうがあっても入浴はできます。ろう孔の周りの皮膚を清潔に保つうえで、入浴はむしろ望ましいことです。特別な保護をせずに入浴できる場合が多く、状態に応じて医療職の助言を受けながら行います。
  4. 〇適切です(正答)。中心静脈栄養法は、鎖骨下静脈や内頸静脈などからカテーテルを入れ、心臓に近い太い静脈(中心静脈)に高カロリーの点滴栄養剤を入れる方法です。太い血管を使うため、濃度の高い輸液を投与できます。
  5. 〇適切です(正答)。パルスオキシメーターは、指先などに装着して、皮膚の上から光を当てることで血液中の酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測る機器です。採血をせずに繰り返し測れるため、や呼吸器疾患のある人の状態把握に広く使われています。

問題35

感染症について適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・2・3

感染症とその対策についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 新型コロナウイルスはエンベロープを持つウイルスで、アルコールが有効です。濃度70%以上95%以下のエタノールが消毒に用いられます。
  • は感染者の吐物や便に含まれます。吐物の処理では、使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着け、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。ノロウイルスにはアルコールが効きにくい点も押さえます。
  • 肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による重症の肺炎やなどを防ぐ効果があります。高齢者の定期接種の対象になっています。

また、B型肝炎はワクチンで予防できます。感染防護具は使い捨てが原則で、使い回しは感染を広げる原因になります。したがって1・2・3が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。新型コロナウイルスはエンベロープ(脂質の膜)を持つウイルスであり、アルコールによって膜が壊れて不活化されます。消毒には濃度70%以上95%以下のエタノールが有効とされています。濃度が低すぎても高すぎても効果が下がります。
  2. 〇適切です(正答)。ノロウイルス感染者の吐物や便には大量のウイルスが含まれています。乾燥して舞い上がると空気を介して広がるため、速やかに処理することが必要です。使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着け、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。アルコールは効きにくい点に注意します。
  3. 〇適切です(正答)。高齢者に対する肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による重症の肺炎や菌血症、髄膜炎を防ぐ効果があります。定期接種の対象は65歳の人と、一定の心臓・腎臓・呼吸器・免疫機能障害がある60歳以上65歳未満の人です。65歳を超える人を5歳刻みで対象とした経過措置は、2024年3月31日に終了しています。
  4. ✕不適切です。B型肝炎はワクチンで予防することができます。B型肝炎ワクチンは有効性が高く、医療や介護の従事者にも接種が勧められています。予防できないという記述は誤りです。
  5. ✕不適切です。感染防護具であるエプロンやガウン、手袋は使い捨てが原則です。使い回せば、付着した病原体を別の利用者へ運ぶことになり、感染を広げてしまいます。利用者ごと、処置ごとに交換します。

問題36

次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 2・3・4

在宅で行われる医療的な管理についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • とは、手術によって人工的に造設された便や尿の排泄口(人工肛門・人工膀胱)のことです。
  • を伴うでは、気管切開部(気管カニューレの周り)の清潔を保ち、皮膚の状態を観察し、カニューレの固定を確かめるといった管理が必要です。
  • 在宅で人工呼吸器を使う場合、停電は生命に直結します。内部バッテリーの持続時間、外部バッテリーや発電機の準備、用手換気の方法(バッグバルブマスク)、電力会社や医療機関への連絡先など、災害時の対応をあらかじめ確認しておくことが不可欠です。

また、は定期的な交換が必要です。の自己注射をしているからこそ、食事量が減ったときや運動量が増えたときなどにが起こりえます。したがって2・3・4が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. ✕不適切です。経管栄養法で使用するカテーテルは定期的な交換が必要です。のカテーテルは種類によっておおむね1か月から6か月ごと、はより短い間隔で交換します。劣化や汚染、閉塞を防ぐためです。
  2. 〇適切です(正答)。ストーマとは、手術によって人工的に造設された便や尿の排泄口のことで、人工肛門と人工膀胱があります。ストーマのある人はパウチ(装具)を装着して生活し、装具の交換とストーマ周囲の皮膚の管理が必要になります。
  3. 〇適切です(正答)。気管切開を伴った人工呼吸療法では、気管切開部の管理が必要です。切開部の清潔を保ち、皮膚の状態や分泌物の量・性状を観察し、カニューレがしっかり固定されているかを確かめます。カニューレが抜けることは緊急事態にあたります。
  4. 〇適切です(正答)。在宅で人工呼吸器を使用する場合、停電は生命に直結します。内部バッテリーの持続時間、外部バッテリーや自家発電機の準備、用手換気(バッグバルブマスク)の方法、電力会社への事前登録、医療機関や事業者への連絡先などを、あらかじめ本人・家族と確認し、計画に位置づけておくことが重要です。
  5. ✕不適切です。インスリンの自己注射をしているからこそ、低血糖が起こりえます。食事の量が減った、食事の時間が遅れた、いつもより体を動かしたといったときに血糖が下がりすぎます。冷汗、動悸、手のふるえ、意識の混濁などの兆候を知り、糖分をすぐ補えるようにしておくことが必要です。

問題37

次の記述のうち,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 2・3・5

急変時の観察と対応についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 出血に対しては、清潔なタオルやガーゼを当てて手で押さえる直接圧迫止血が基本です。特別な道具がなくてもでき、最も確実な方法です。
  • 転倒して頭部を打った後に両手足の力が入らない場合は、頸髄損傷を疑います。むやみに動かさず、頭と首を動かさないようにして救急要請します。
  • 手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき、すぐに戻らない(ツルゴールの低下)場合は、を疑う手がかりになります。口の中の乾燥、尿量の減少、わきの下の乾きなどとあわせて観察します。

また、吐き気を訴える人を仰向けにすると、吐いたものが気道に入って窒息やを起こす危険があります。顔を横に向けるか側臥位にします。高齢者のでは、胸痛がはっきりしない、あるいはまったくない(無痛性心筋梗塞)ことがあります。したがって2・3・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. ✕不適切です。吐き気を訴える場合に仰向けにすると、吐いたものが気道に入って窒息したり、誤嚥性肺炎を起こしたりする危険があります。顔を横に向けるか、側臥位(横向き)にします。を防ぐという目的と、とるべき姿勢が逆になっています。
  2. 〇適切です(正答)。出血している傷口に清潔なタオルやガーゼを当て、手でしっかり押さえる直接圧迫止血が、最も基本的で確実な方法です。可能であれば出血している部位を心臓より高い位置に保ちます。処置する側は、感染を防ぐため手袋などを使います。
  3. 〇適切です(正答)。転倒して頭部を打撲した後に両手足に力が入らない場合は、頸髄損傷の可能性があります。むやみに起こしたり首を動かしたりせず、頭と首を動かさないようにして速やかに救急要請します。動かすことで損傷を広げるおそれがあるためです。
  4. ✕不適切です。高齢者の心筋梗塞では、強い胸痛がはっきり現れないことがあります。息苦しさ、吐き気、肩や背中の痛み、冷汗、いつもと違う元気のなさといった形で現れたり、痛みをまったく伴わなかったり(無痛性心筋梗塞)することもあります。特にのある人で起こりやすいとされます。
  5. 〇適切です(正答)。手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき、すぐには元に戻らない状態(ツルゴールの低下)は、脱水を疑う手がかりの一つです。口の中や舌の乾燥、わきの下の乾き、尿量の減少、皮膚の弾力の低下などとあわせて観察します。高齢者は口渇を感じにくいため、周りが気づくことが大切です。

問題38

次の記述のうち,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 3・4・5

高齢者に多い病気とその対応についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • の特徴の一つが朝のこわばりです。起床時に関節がこわばり、動かしているうちにやわらいでいくという日内変動があります。
  • では、運動療法はむしろ重要です。動かないでいると関節のや筋力低下が進み、動きにくさが強まります。転倒に配慮しながら継続することが勧められます。
  • の最も多い受傷原因は転倒です。手術と長い療養が必要になり、寝たきりの大きな原因になります。

また、膝関節症では、太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛える運動などが痛みの軽減に効果があります。複数の疾患で多くの薬を飲んでいる高齢者では、副作用や相互作用()に注意が必要です。したがって3・4・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. ✕不適切です。関節リウマチには症状の日内変動があります。起床時に関節がこわばり(朝のこわばり)、体を動かしているうちにやわらいでいくのが特徴です。こわばりが1時間以上続くかどうかは、病状を見るときの目安にもなります。
  2. ✕不適切です。パーキンソン病では運動療法が重要です。動かないでいると関節の拘縮や筋力低下が進み、かえって動きにくくなります。転倒に配慮しながら、歩行訓練やストレッチ、音やリズムを手がかりにした動作の練習などを続けることが勧められています。禁忌ではありません。
  3. 〇適切です(正答)。大腿骨頸部骨折の最も多い受傷原因は転倒です。があると、わずかな転倒でも骨折します。手術と長い療養が必要になり、その間に筋力が落ちて寝たきりにつながることも多いため、転倒予防が重視されます。
  4. 〇適切です(正答)。膝関節症では、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える運動などによって、関節にかかる負担が減り、痛みや腫脹の軽減につながります。痛いから動かさないでいると筋力が落ちてさらに悪化するという悪循環を断つことが大切です。
  5. 〇適切です(正答)。複数の疾患を治療している高齢者では、薬の数が増えて副作用や相互作用が生じやすくなります(ポリファーマシー)。ふらつきや転倒、食欲不振、意識の混濁などの背景に薬があることも多く、お薬手帳などで服薬内容を把握し、医師や薬剤師と共有することが重要です。

問題39

臨死期の徴候について,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 2・3・5

(死が近づいた時期)に現れる身体の変化を問う問題です。に関わる場面で、家族に何が起こるのかをあらかじめ伝えておくために必要な知識です。

臨死期には次のような変化がみられます。

  • 意識レベルが低下し、傾眠がちになり、やがて呼びかけへの反応が乏しくなる
  • 血液の循環が悪くなり、手足が冷たくなる(四肢冷感)、皮膚がまだらに紫色になる(チアノーゼ、まだら模様)
  • のどに分泌物がたまり、ゴロゴロという音を伴う呼吸()が生じる
  • 呼吸が不規則になる(チェーンストークス呼吸、下顎呼吸)
  • 腎臓の血流が減って尿量が減少する

規則正しいリズムの呼吸と尿量の増加は、いずれも臨死期の徴候ではありません。したがって2・3・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. ✕不適切です。臨死期には呼吸が不規則になります。深い呼吸と浅い呼吸を繰り返し、無呼吸をはさむチェーンストークス呼吸や、あごを上下させるような下顎呼吸がみられます。規則正しいリズムの呼吸は臨死期の徴候ではありません。
  2. 〇適切です(正答)。臨死期には意識レベルが低下します。うとうとしている時間が増え、やがて呼びかけへの反応が乏しくなります。聴覚は最期まで残るとされているため、そばで声をかけ続けることには意味があると家族に伝えます。
  3. 〇適切です(正答)。臨死期には血液の循環が悪くなり、手足が冷たくなります(四肢冷感)。皮膚の色が青白くなったり、まだらに紫色になったりする変化も現れます。温めることで安楽を図ることはできますが、無理に温める必要はありません。
  4. ✕不適切です。臨死期には腎臓への血流が減り、尿量は減少します。増加ではありません。飲み込む力も落ちて水分の摂取が減るため、尿の色が濃くなり、量も少なくなっていきます。
  5. 〇適切です(正答)。のどや気道に分泌物がたまり、呼吸のたびにゴロゴロという音がすることがあります(死前喘鳴)。本人が苦しんでいるとは限りませんが、家族には苦しそうに見えるため、あらかじめ説明しておくことが大切です。体位の工夫などで和らげることもあります。

問題40

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について,より適切なものはどれか。 2つ選べ。

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正答 4・5

(ACP、人生会議)についての問題です。将来の変化に備えて、本人が望む医療やケアについて、本人・家族等・医療ケアチームがあらかじめ繰り返し話し合う取組です。

ポイントは次の3つです。

  • 死が近づいてから始めるものではありません。元気なうちから、状態の変化の節目ごとに話し合うことが勧められています。
  • 本人の意思が中心です。家族の考えが本人より優先されることはありません。本人の意思が確認できない場合に、家族等が本人の意思を推定するという順序になります。
  • 心身の状態や気持ちは変わるものですから、話合いは一度で終わりではなく、繰り返し行います。

また、話し合った内容は文書にまとめて共有しておくことが望ましく、の人についても、意思を適切に反映できるよう医療・ケアチームが支援します。したがって4・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. ✕不適切です。ACPは、死が近づいてから始めるものではありません。元気なうちから、あるいは病気の診断を受けたとき、状態が変わったときなど、節目ごとに話し合うことが勧められています。切迫した状況では、落ち着いて本人の思いを聴くことが難しくなります。
  2. ✕不適切です。ACPで中心に置かれるのは本人の意思です。家族の考えが本人より優先されることはありません。本人の意思が確認できなくなった場合に、家族等が本人ならどう考えるかを推定し、それをもとに医療・ケアチームと話し合うという順序になります。
  3. ✕不適切です。ACPの話合いは繰り返し行うものです。心身の状態や置かれた状況が変われば、本人の考えも変わります。一度決めたことに縛られるのではなく、そのつど確かめ直していくことが、この取組の要点です。
  4. 〇適切です(正答)。話し合った内容は文書にまとめ、本人・家族等・医療ケアチームで共有しておくことが望ましいとされています。本人の意思が確認できなくなったときに、何を大切にしていたのかをたどれるようにするためです。
  5. 〇適切です(正答)。認知症の人についても、その意思を適切に反映できるよう医療・ケアチームが支援します。国は認知症の人の日常生活・社会生活におけるのガイドラインを示しており、分かりやすく伝える、時間をかけて確かめる、本人の様子から意思をくみ取るといった働きかけが求められます。

問題41

指定訪問看護について適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・2・3

指定の基準を問う問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 訪問看護ステーションには、看護職員(、看護師、准看護師)を常勤換算で2.5人以上置かなければならず、そのうち1人は常勤とします。加えて、を実情に応じた適当数配置することができます。
  • 訪問看護計画書は、利用者の希望や主治医の指示、心身の状況を踏まえて作成し、その内容を利用者又は家族に説明して同意を得なければなりません。
  • 本問のの訪問看護は、居宅で生活している等に提供するサービスです。の入所中はとして必要な看護を受け、介護保険の訪問看護費を別に算定することはできません。

また、薬剤の処方を行えるのは医師(歯科医師)であり、看護師にその権限はありません。したがって1・2・3が適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。指定訪問看護ステーションには、看護職員に加えて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を実情に応じた適当数配置することができます。これらの職種が訪問して行った場合も、訪問看護費として算定されます。
  2. 〇適切です(正答)。指定訪問看護ステーションには、看護職員を常勤換算方法で2.5人以上置かなければならず、そのうち1人は常勤である必要があります。管理者は原則として常勤の保健師又は看護師です。
  3. 〇適切です(正答)。訪問看護計画書は、利用者の希望、主治の医師の指示、心身の状況等を踏まえて作成し、その内容について利用者又はその家族に説明し、同意を得なければならないとされています。作成後は主治の医師に提出します。
  4. ✕不適切です。介護老人保健施設では施設サービスとして必要な看護が提供されるため、入所者に介護保険の訪問看護費を別に算定することはできません。なお、の入所者に対するの訪問看護には末期の悪性腫瘍などの例外があり、ではどの保険の訪問看護も一切利用できないという意味ではありません。
  5. ✕不適切です。薬剤の処方を行えるのは医師(歯科医師)です。看護師に処方の権限はありません。看護師は医師の指示に基づいて薬剤を投与し、服薬の状況や効果、副作用を観察して医師に報告します。

問題42

次の記述のうち,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・2・4

服薬に関わる支援についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 薬には、砕いたり溶かしたりしてはいけないものがあります。徐々に溶けるように作られた徐放錠や、胃で溶けないようにした腸溶錠などです。から注入する場合は、必ず医師や薬剤師に確認します。
  • 睡眠薬、抗不安薬、降圧薬、血糖降下薬などの副作用によるふらつきやめまいは、転倒の大きな原因になります。転倒した人については、薬の内容を確かめることが必要です。
  • お薬手帳は、複数の医療機関や薬局から出された薬をまとめて把握するための道具です。重複や飲み合わせの問題を見つける手がかりになります。

また、介護職員も一定の条件の下で服薬の介助を行うことができます。高齢者は腎機能や肝機能の低下によって薬が体内にとどまりやすく、副作用はむしろ強く出やすくなります。したがって1・2・4が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。錠剤の中には、徐々に溶けるように作られた徐放錠や、胃で溶けないようにコーティングされた腸溶錠など、砕いたり溶かしたりしてはいけないものがあります。効き目が強く出すぎたり、逆に効かなくなったりするためです。胃ろうから注入する際は、必ず医師や薬剤師に確認します。
  2. 〇適切です(正答)。睡眠薬、抗不安薬、降圧薬、血糖降下薬、抗薬などの副作用によるふらつきやめまい、立ちくらみは、転倒の大きな原因になります。転倒があったときには、薬が新しく始まっていないか、量が変わっていないかを確かめることが重要です。
  3. ✕不適切です。介護職員も、一定の条件を満たせば服薬の介助を行うことができます。容態が安定していること、副作用の危険や投薬量の調整が必要でないこと、本人や家族から依頼があり医師や看護職員の指導を受けていることなどが条件です。行ってはならないという記述は誤りです。
  4. 〇適切です(正答)。お薬手帳は、複数の医療機関や薬局から出された薬をまとめて把握するための道具です。重複した処方や、飲み合わせの問題を見つける手がかりになります。も、本人の同意を得て内容を確かめ、必要に応じて医師や薬剤師につなぐことが大切です。
  5. ✕不適切です。高齢者は腎機能や肝機能が低下しているため、薬が体内から排泄されにくく、血液中の濃度が高くなりやすくなります。その結果、副作用はむしろ強く出やすくなります。減弱するという記述は逆です。

問題43

指定通所リハビリテーションについて,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・4・5

指定(デイケア)の運営についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 会議は、利用者及びその家族の参加を基本としています。医師、等、、サービス担当者などが集まり、本人の目標や方針を共有する場だからです。
  • 通所リハビリテーション計画は、があるかどうかにかかわらず作成します。居宅サービス計画が作られている場合は、その内容に沿って作成します。
  • には、事業の目的及び運営の方針、従業者の職種・員数・職務内容、営業日及び営業時間、指定通所リハビリテーションの利用定員、内容及び利用料その他の費用の額、通常の事業の実施地域、サービス利用に当たっての留意事項、非常災害対策、虐待の防止のための措置に関する事項などを定めます。

また、リハビリテーションは一人ひとりの状態と目標に応じて行うものであり、全員一律の内容にするものではありません。したがって1・4・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。リハビリテーション会議は、利用者及びその家族の参加を基本とするとされています。本人がどうなりたいのかを軸に、医師、理学療法士等、介護支援専門員、サービス担当者が方針を共有する場だからです。テレビ電話装置等を活用して行うこともできます。
  2. ✕不適切です。通所リハビリテーション計画は、居宅サービス計画が作成されているかどうかにかかわらず作成します。居宅サービス計画が作られている場合は、その内容に沿って作成しなければならないとされています。作らなくてよいという扱いはありません。
  3. ✕不適切です。リハビリテーションは、一人ひとりの心身の状態や目標に応じて行うものです。通所リハビリテーション計画も個々の利用者ごとに作成します。全員が同一の内容で実施しなければならないという定めはありません。
  4. 〇適切です(正答)。運営規程には、指定通所リハビリテーションの利用定員を定めておかなければならないとされています。ほかに、事業の目的及び運営の方針、従業者の職種・員数・職務内容、営業日及び営業時間、利用料などを定めます。
  5. 〇適切です(正答)。運営規程に定める事項には非常災害対策が含まれます。あわせて、非常災害に関する具体的計画を立て、関係機関への通報及び連携体制を整備し、定期的に避難や救出の訓練を行うことも求められています。

問題44

指定看護小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。 3つ選べ。

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正答 1・3・5

(看多機)についての問題です。

ポイントは次の3つです。

  • 看多機は、(通い・泊まり・)にを組み合わせたサービスです。医療的なケアが必要な人でも、一つの事業所で柔軟に支えられる点が特徴です。
  • のサービスがないため、は利用できません。対象はに限られます。
  • 登録定員は29人以下(サテライト型は18人以下)です。

また、看護サービスの提供に当たっては主治の医師から文書で指示を受けますが、複数の医師から受けなければならないという定めはありません。登録者のは、看多機の事業所のが作成します。したがって1・3・5が正しい記述です。

選択肢ごとの解説

  1. 〇適切です(正答)。看護小規模多機能型居宅介護は、小規模多機能型居宅介護(通い・泊まり・訪問介護)に訪問看護を組み合わせたサービスです。同じ事業所の職員が、介護と看護の両方を提供するため、退院直後や医療的ケアが必要な人でも在宅生活を続けやすくなります。
  2. ✕不適切です。看護サービスの提供の開始に際しては、主治の医師による指示を文書で受けなければならないとされていますが、複数の医師から指示を受けなければならないという定めはありません。
  3. 〇適切です(正答)。看護小規模多機能型居宅介護には介護予防のサービスがないため、要支援者は利用できません。対象は要介護者に限られます。同じく通い・泊まり・訪問を組み合わせる小規模多機能型居宅介護には介護予防のサービスがあり、要支援者も利用できる点と対比して覚えます。
  4. ✕不適切です。登録者の居宅サービス計画は、看護小規模多機能型居宅介護事業所の介護支援専門員が作成します。通い・泊まり・訪問・看護を一体的に組み立てるため、その事業所の介護支援専門員が計画づくりの要になります。
  5. 〇適切です(正答)。サテライト型ではない事業所の登録定員は29人以下です。サテライト型事業所の場合は18人以下とされています。

問題45

介護医療院について,より適切なものはどれか。 3つ選べ。

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正答 2・4・5

についての問題です。2018(平成30)年4月に創設された、長期の療養と生活の場を兼ねるです。

ポイントは次の3つです。

  • 介護医療院は、主として長期にわたり療養が必要であるに対し、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及びその他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う施設です。居宅での生活への復帰を目的とする施設ではありません。
  • 療養床はⅠ型とⅡ型に分かれ、Ⅰ型は重篤な身体疾患を有する者や身体合併症を有する高齢者など、より重い状態の人を受け入れます。
  • 生活の場としての性格を持つため、入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努めることとされ、を行うユニット型もあります。

また、介護保険施設ですから、を作成する計画担当を置かなければなりません。したがって2・4・5が、より適切です。

選択肢ごとの解説

  1. ✕不適切です。介護医療院は、主として長期にわたり療養が必要である要介護者に対して、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う施設です。居宅での生活への復帰を目的とすると定義されているのはのほうです。
  2. 〇適切です(正答)。介護医療院の療養床のうちⅠ型は、重篤な身体疾患を有する者や身体合併症を有する認知症高齢者など、より重い状態の人を受け入れます。病状が比較的安定期にあり、身体合併症を有する認知症高齢者も入所対象者に含まれます。
  3. ✕不適切です。介護医療院は介護保険施設であり、施設サービス計画を作成する計画担当介護支援専門員を置かなければなりません。入所者の数が100又はその端数を増すごとに1人を標準とします。
  4. 〇適切です(正答)。介護医療院は生活の場としての性格を併せ持つため、入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努めることとされています。長期の療養であっても、暮らしとしての張りを保つことが求められています。
  5. 〇適切です(正答)。介護医療院には、ユニットケアを行うユニット型があります。少人数のユニットごとに、なじみの職員が関わり、共同生活室を中心とした暮らしを組み立てる形です。従来型とユニット型では、居住費の負担限度額も別に定められています。

用語の説明

介護支援専門員かいごしえんせんもんいん(ケアマネジャー)

要介護者・要支援者からの相談に応じ、その人に合ったサービスの利用計画をつくり、市町村やサービス事業者との連絡調整を行う専門職。都道府県の試験と研修を経て登録され、介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新研修を受けて更新します。

用語の説明

居宅サービス計画きょたくサービスけいかく(ケアプラン)

在宅の要介護者が、どの生活課題に対して、どのサービスを、どれだけ使うかをまとめた計画。介護支援専門員がつくるのが一般的ですが、利用者本人がつくること(セルフプラン)もできます。原案は、サービス担当者会議で専門的な意見を求めたうえで、利用者の同意を得て確定します。

用語の説明

施設サービス計画しせつサービスけいかく

介護保険施設に入所している人について、その施設の計画担当介護支援専門員がつくる計画。施設で提供する介護・機能訓練・健康管理などの内容と目標を定めます。在宅の居宅サービス計画に当たるものです。

用語の説明

課題分析かだいぶんせき(アセスメント)

利用者の心身の状況・環境・希望などを把握し、その人が自立した日常生活を送るうえで解決すべき課題を明らかにすること。居宅介護支援では、国が示す課題分析標準項目を満たす方式で行い、利用者の居宅を訪問して本人・家族に面接して行うことが必要です。

用語の説明

地域支援事業ちいきしえんじぎょう

市町村が行う、介護予防と地域の支え合いのための事業。介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業の3つで構成されます。保険給付とは別枠で、要介護認定を受けていない人も対象になります。

用語の説明

介護給付かいごきゅうふ

要介護1〜5と認定された人が受ける保険給付。居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、居宅介護支援が含まれます。要支援の人が受けるのは予防給付です。

用語の説明

予防給付よぼうきゅうふ

要支援1・2と認定された人が受ける保険給付。介護予防サービスと地域密着型介護予防サービス、介護予防支援が含まれます。訪問介護と通所介護は予防給付から外れ、市町村の総合事業に移されています。

用語の説明

中核症状ちゅうかくしょうじょう

認知症の症状のうち、脳の細胞が壊れることで直接生じる症状のこと。記憶障害、見当識障害(時間・場所・人がわからなくなる)、実行機能障害(段取りを立てられない)、失語・失行・失認などが当たります。程度の差はあっても、認知症の人に共通して現れます。

用語の説明

行動・心理症状こうどう・しんりしょうじょう(BPSD)

認知症の中核症状に、環境・体調・不安などの要因が重なって二次的に現れる行動面・心理面の症状。歩き回り(徘徊)、不眠、興奮、抑うつ、幻覚、妄想などがあります。かかわり方や環境を整えることで軽くなることがある点が、支援のポイントです。

用語の説明

せん妄せんもう

急に起こる意識の混乱。時間や場所がわからなくなる、落ち着かない、幻覚が出るなどの症状が、日によって・時間帯によって変動します。脱水、感染症、薬、環境の変化などが引き金になり、原因を取り除けば治ることが多い点が認知症との違いです。

用語の説明

サルコペニア

加齢などにより筋肉の量が減り、筋力や身体機能が低下した状態。歩く速さの低下や握力の低下で評価されます。低栄養と運動不足が重なると進みやすくなります。

用語の説明

フレイル

加齢により心身の活力が低下し、介護が必要になる手前の状態。体重減少、疲れやすさ、歩く速さの低下、活動量の低下、筋力低下などでとらえます。適切にかかわれば元の状態に戻りうる点が重要です。

用語の説明

低栄養ていえいよう

エネルギーやたんぱく質が足りず、体重が減り、筋力や免疫の働きが落ちた状態。褥瘡や感染症、転倒の危険が高まります。食事量、意図しない体重減少、筋肉量などを合わせて評価します。血清アルブミン値だけで判断することはできません。

用語の説明

誤嚥性肺炎ごえんせいはいえん

食べ物や唾液が気管に入り、細菌が肺に運ばれて起こる肺炎。高齢者では、発熱やせきがはっきり出ず、元気がない・食欲がないといった形で現れることがあります。口腔ケアと食事の姿勢が予防につながります。

用語の説明

褥瘡じょくそう

同じ場所が圧迫され続けて血流が悪くなり、皮膚や皮下組織が傷む状態(床ずれ)。骨が突き出た部分にできやすく、体位変換、除圧、栄養の改善、皮膚を清潔に保つことが予防になります。

用語の説明

パーキンソン病パーキンソンびょう

脳内のドパミンが減ることで起こる病気。手のふるえ、動作が遅くなる、筋肉がこわばる、姿勢が保てず転びやすくなるといった症状が現れます。介護保険の特定疾病の一つです。

用語の説明

大腿骨頸部骨折だいたいこつけいぶこっせつ

太ももの骨の付け根の骨折。転倒で起こりやすく、そのまま寝たきりにつながることがあるため、早い手術とリハビリテーションが行われます。骨粗鬆症のある高齢女性に多くみられます。

用語の説明

関節リウマチかんせつリウマチ

免疫の異常により関節に炎症が起こり、腫れ・痛み・変形が進む病気。朝、手がこわばるのが特徴的です。関節を守る動作の工夫や自助具の活用が生活の支えになります。介護保険の特定疾病の一つです。

用語の説明

看取りみとり

人生の最終段階にある人に寄り添い、最期まで支えること。どこで、どのように過ごしたいかを本人・家族・医療介護のチームで話し合って進めます(アドバンス・ケア・プランニング)。急変時の対応をあらかじめ決めておくことが大切です。

用語の説明

経管栄養けいかんえいよう

口から十分に食べられない人に、チューブを使って栄養を送る方法。鼻から入れる経鼻経管栄養や、おなかに開けた口から入れる胃ろうなどがあります。実施にあたっては、本人・家族の十分な理解と同意が前提になります。

用語の説明

在宅酸素療法ざいたくさんそりょうほう

自宅に酸素供給装置を置き、決められた量の酸素を吸いながら生活する治療。慢性閉塞性肺疾患などで行われます。火気を近づけないことが安全上の基本です。

用語の説明

ストーマ

一般に、手術でおなかに作られた便や尿の出口(人工肛門・人工膀胱)を指します。装具を貼って排せつ物を受け止め、皮膚の観察と装具の交換を行います。広い意味では、気管切開など、手術で作られた開口部も含む言葉です。

用語の説明

ノロウイルス

嘔吐・下痢を起こすウイルス。少量でも感染し、吐物や便から人へ広がります。アルコール消毒が効きにくいため、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒と、手洗いが基本になります。

用語の説明

医療・ケアの内容や見通し、他に選べる方法について十分な説明を受けたうえで、本人が納得して同意すること。同意を得ることが目的ではなく、本人が自分で決められるようにすることが目的です。

用語の説明

管理栄養士かんりえいようし

栄養士法に基づく国家資格。傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導や、施設での給食管理・栄養管理など、専門性の高い栄養業務を担います。傷病者への栄養指導を行うときは、主治の医師の指導を受けることとされています。

用語の説明

アドバンス・ケア・プランニング

人生の最終段階にどのような医療・ケアを受けたいかについて、本人が家族等や医療・ケアチームと前もって繰り返し話し合う取組(ACP)。愛称は「人生会議」。本人の意思は変わりうることを前提に、話し合いを重ね、内容をその都度文書に残していくことが大切とされています。

用語の説明

運営規程うんえいきてい

事業所が定めておく運営の基本ルール。目的・方針、職員の職種と人数、営業日と営業時間、サービスの内容と利用料、通常の事業の実施地域などを記します。運営規程の概要などの重要事項は、事業所内への掲示又は書面を自由に閲覧できる形で示し、原則としてウェブサイトにも掲載します。

用語の説明

ユニットケア

少人数のまとまり(ユニット)ごとに、居室と共同の生活空間を用意して行う介護。なじみの顔ぶれの中で、その人の暮らし方を続けられるようにする考え方です。

用語の説明

理学療法士りがくりょうほうし(PT)

座る・立つ・歩くといった基本的な動作の回復や維持を助ける専門職。運動療法や物理療法を用い、医師の指示のもとで行います。

用語の説明

作業療法士さぎょうりょうほうし(OT)

食事や着替え、家事、趣味など、日常の作業を通じて心身の機能や生活行為の回復を助ける専門職。医師の指示のもとで行います。

用語の説明

言語聴覚士げんごちょうかくし(ST)

話す・聞く・食べるといった働きに困難がある人を助ける専門職。失語症や構音障害の訓練のほか、嚥下(飲み込み)の評価・訓練も行います。

用語の説明

保健師ほけんし

保健指導を担う国家資格の専門職。地域包括支援センターに置かれ、介護予防ケアマネジメントや健康づくりの支援を行います。

用語の説明

認知症初期集中支援チーム

認知症が疑われる人や、その家族を訪問し、おおむね6か月の間、集中的に支援して医療・介護につなぐチーム。複数の専門職と、認知症の専門医で構成されます。

用語の説明

通いの場かよいのば

住民が主体となって運営する、体操や交流の集まり。一般介護予防事業として市町村が育成を支援します。専門職に頼りきらず、地域の力で介護予防を進める考え方です。

用語の説明

心筋梗塞しんきんこうそく

心臓に血液を送る血管が詰まり、心臓の筋肉が壊れる病気。高齢者では胸の痛みがはっきりせず、息切れや吐き気だけのことがあるため、いつもと違う様子に注意が必要です。

用語の説明

骨粗鬆症こつそしょうしょう

骨がもろくなり、折れやすくなる状態。閉経後の女性に多くみられます。転倒による大腿骨頸部骨折や、背骨がつぶれる圧迫骨折の原因になります。

用語の説明

糖尿病とうにょうびょう

血糖を下げるインスリンの働きが足りず、血糖値が高い状態が続く病気。神経・目・腎臓の合併症のほか、感染症にかかりやすくなります。低血糖にも注意が必要です。

用語の説明

統合失調症とうごうしっちょうしょう

幻覚や妄想などが現れる精神疾患。多くは思春期から青年期に発症します。薬による治療と、生活を支える支援を続けることで、地域での暮らしを保てます。

用語の説明

低血糖ていけっとう

血糖値が下がりすぎた状態。冷や汗、ふるえ、動悸などが現れ、重い場合は意識障害を起こします。糖尿病の薬を使っている人に起こりやすく、意識がはっきりして安全に飲み込めるときは、事前に教わった方法でブドウ糖などをとります。意識が悪い、飲み込めない場合は口に無理に入れず、救急対応が必要です。

用語の説明

中心静脈栄養法ちゅうしんじょうみゃくえいようほう

心臓に近い太い静脈にカテーテルを入れ、点滴で栄養を送る方法。口や消化管が使えないときに行います。感染を防ぐ管理が欠かせません。

用語の説明

人工呼吸療法じんこうこきゅうりょうほう

機械で呼吸を助ける治療。マスクを使う方法と、気管切開をして行う方法があります。在宅でも行われ、停電や機器の不具合に備えた準備が必要です。

用語の説明

パルスオキシメーター

指先に挟んで、血液中の酸素飽和度と脈拍数を測る機器。採血せずに繰り返し測れるため、呼吸の状態を見るのに使われます。

用語の説明

インスリン

膵臓から出る、血糖を下げるホルモン。糖尿病では注射で補うことがあります。食事がとれないときは低血糖に注意が必要です。

用語の説明

臨死期りんしき

死が近づいた時期。食事や水分をとらなくなり、呼吸のしかたが変わり、意識が薄れていきます。無理に食べさせず、苦痛をやわらげ、そばに寄り添うことが中心になります。

用語の説明

死前喘鳴しぜんぜんめい

臨死期に、のどにたまった分泌物で「ゴロゴロ」と音がすること。本人が苦しんでいるとは限りません。吸引を繰り返すより、体位を工夫して家族に説明することが大切とされます。

用語の説明

口腔ケアこうくうケア

口の中を清潔に保ち、噛む・飲み込む働きを保つケア。誤嚥性肺炎の予防につながり、食べる楽しみや会話を支えることにもなります。

用語の説明

オーラルフレイル

滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせなど、口の働きのささいな衰え。放っておくと食べる力の低下から低栄養やフレイルにつながるため、早く気づくことが大切です。

用語の説明

ポリファーマシー

多くの薬を飲むことで、副作用や飲み忘れなどの問題が起きている状態。単に数が多いことではなく、害が生じている点が問題とされます。

用語の説明

予後よご

病気やけがの、これから先の見通し。回復の見込みや余命の見通しを指します。本人・家族への伝え方は、意思決定支援の出発点になります。

用語の説明

意思決定支援いしけっていしえん

判断が難しくなった人でも、できる限り自分で決められるように支えること。代わりに決めるのではなく、伝わる形で情報を示し、本人の意向をくみ取ることが基本です。

用語の説明

訪問介護ほうもんかいご

訪問介護員などが要介護者の自宅を訪れ、入浴・排泄・食事などの身体介護や、調理・掃除などの生活援助を行うサービス。本人の日常生活を支えることが目的です。

用語の説明

訪問看護ほうもんかんご

主治医の指示に基づき、看護師などが自宅で療養する人を訪れて、病状の観察、療養上の世話、診療の補助などを行うサービス。本人の状態などにより介護保険または医療保険で利用します。要支援者向けの介護予防サービスもあります。

用語の説明

訪問リハビリテーションほうもんリハビリテーション

医師の指示の下、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが自宅を訪れ、生活に必要な動作や機能の維持・回復を支援するサービス。実際の住環境に合わせて練習や助言を行います。要支援者向けの介護予防サービスもあります。

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通所リハビリテーションつうしょリハビリテーション(デイケア)

病院・診療所・介護老人保健施設などへ通い、医師の指示に基づいて心身機能や生活動作の維持・回復を目指すサービス。専門職によるリハビリテーションを中心とし、在宅生活の継続を支えます。要支援者向けの介護予防サービスもあります。

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小規模多機能型居宅介護しょうきぼたきのうがたきょたくかいご

同じ事業所への「通い」を中心に、「訪問」と「泊まり」を必要に応じて組み合わせる地域密着型サービス。顔なじみの職員が継続して関わり、自宅での生活を支えます。要支援者向けの介護予防サービスもあります。

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看護小規模多機能型居宅介護かんごしょうきぼたきのうがたきょたくかいご

小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせた地域密着型サービス。通い・泊まり・訪問を通じて介護と看護を一体的に提供し、医療上の支援を必要とする人の在宅生活を支えます。

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介護老人福祉施設かいごろうじんふくししせつ(特別養護老人ホーム)

常に介護が必要で、自宅で暮らすことが難しい人のための生活施設。介護保険の指定を受けた特別養護老人ホームで、食事・入浴・排泄などの介護、健康管理や生活支援を行います。小規模な地域密着型の施設は、介護保険上の分類が別です。

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介護老人保健施設かいごろうじんほけんしせつ(老健)

病状が安定した要介護者に、医学的管理の下での介護や看護、リハビリテーションを行う施設。自宅で生活できるようになることを目指し、在宅復帰とその後の生活を支えます。

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介護医療院かいごいりょういん

長期にわたって医療と介護の両方を必要とする人のための施設。日常的な医学的管理、看護、介護、看取りなどを行い、住まいとしての生活の場も提供します。

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介護保険施設かいごほけんしせつ

介護保険の施設サービスを提供する施設の総称。現在は介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院が該当します。有料老人ホームやグループホームなど、高齢者が入居する住まいがすべて含まれるわけではありません。

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施設サービスしせつサービス

介護保険施設で、施設サービス計画に基づいて受ける介護・看護・生活支援などの総称。施設の種類によって、生活支援、在宅復帰、長期療養など重点となる役割が異なります。

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介護予防サービスかいごよぼうサービス

要支援者が、できることを保ち、生活機能の低下を防ぐために利用する介護保険のサービス分類。介護予防訪問看護や介護予防通所リハビリテーションなどがあります。市町村の総合事業とは制度上区別されます。

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介護保険かいごほけん

介護を必要とする人の生活を社会全体で支える公的な保険制度。市町村・特別区が運営し、保険料と公費を財源として必要なサービスの費用を給付します。本人の尊厳の保持と自立した生活を目指し、その仕組みを介護保険法が定めています。

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介護予防かいごよぼう

介護が必要な状態になることを防ぎ、すでに支援や介護が必要な人についても状態の改善や悪化の防止を目指すこと。運動だけでなく、栄養、口腔の健康、外出や社会参加などを通じて、生活する力を保ちます。

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要介護者ようかいごしゃ

入浴・排泄・食事などの基本的な生活動作について、継続して介護を必要とする人。介護保険では、年齢や病気などの要件を満たし、要介護認定を受けることで介護給付を利用します。

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要支援者ようしえんしゃ

要支援状態にある人。介護保険では要支援認定を受け、介護予防サービスや市町村の総合事業などを利用して、自立した生活を続けることを目指します。要介護者と利用できるサービスが異なります。

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リハビリテーション

病気や障害があっても、その人が望む生活や社会参加を実現するための支援。身体の訓練だけでなく、生活動作の工夫、環境の調整や周囲の支援を通じて、持っている力を活かします。

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機能訓練きのうくんれん

日常生活に必要な心身の機能や動作を保ち、改善するための訓練。歩く、立ち上がる、着替えるなど、本人が生活で実現したいことを目標に取り組みます。

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認知機能にんちきのう

情報を理解し、覚え、判断し、行動を組み立てる脳の働き。記憶、言葉の理解、時間や場所の把握、注意、計画や段取りなどが含まれます。日常生活で何ができ、何に困っているかを見る手がかりになります。

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医療保険いりょうほけん

病気やけがに必要な診察や治療などの費用を、保険の仕組みで支える制度。日本の公的な制度には、勤務先を通じて加入する被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度などがあります。介護保険とは対象や給付の仕組みが異なります。

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認知症カフェにんちしょうカフェ

認知症の人や家族、地域の人、専門職などが集まり、交流や情報交換をする場。相談や仲間づくりを通して、孤立を防ぎ、地域での理解を広げます。介護保険の給付対象サービスとして提供されるものではありません。

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パーソン・センタード・ケアパーソン・センタード・ケア

認知症の人を一人の人として尊重し、本人の視点や気持ちに立って考えるケア。症状に加えて、これまでの人生、性格、人間関係、今の思いや望みを理解し、その人に合った関わりを一緒に考えます。

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脱水だっすい

体に必要な水分や電解質が不足した状態。飲食量の減少、発汗、発熱、下痢、嘔吐などで起こります。高齢者はのどの渇きを感じにくく、口の乾燥、尿量の減少、元気がないといった変化にも注意が必要です。

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便秘べんぴ

便を十分な量、楽に出せない状態。排便回数の減少だけでなく、便の硬さ、強いいきみ、出しにくさ、残便感なども含めて捉えます。普段の排便習慣や食事、水分、活動量、薬の影響を確認することが大切です。

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尿路感染症にょうろかんせんしょう

腎臓、膀胱、尿道など尿の通り道で、細菌などが増えて炎症を起こす病気。膀胱炎や腎盂腎炎などが含まれ、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、発熱などがみられます。

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うつ病うつびょう

気分の落ち込みや興味・喜びの低下が続き、生活に支障が出る病気。眠れない、食欲が落ちる、疲れやすい、考えがまとまらないなど、体や思考にも変化が現れます。休養や医療による支援が必要です。

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認知症にんちしょう

脳の病気や障害により、記憶、判断、言葉、段取りなどの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障が出ている状態。原因となる病気はさまざまで、現れ方や必要な支援も一人ひとり異なります。

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誤嚥ごえん

食べ物や飲み物、唾液などが食道ではなく気管へ入ってしまうこと。むせや咳が出る場合と、気づきにくい場合があります。細菌を含むものを吸い込むと誤嚥性肺炎の原因になりますが、誤嚥のたびに肺炎が起こるわけではありません。

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拘縮こうしゅく

関節の周囲の筋肉や皮膚などが硬くなったり縮んだりして、関節を動かせる範囲が狭くなること。長く動かさない状態などで起こり、着替え、清潔の保持、姿勢の調整といった日常生活や介助に影響します。

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軽度認知障害けいどにんちしょうがい

年齢から予想されるより認知機能が低下しているものの、日常生活の自立はおおむね保たれている状態。認知症に進む人も、状態を保つ人も、改善する人もいるため、原因の確認と継続した観察・支援が大切です。

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酸素飽和度さんそほうわど

血液中のヘモグロビンに酸素がどの程度結び付いているかを示す指標。パルスオキシメーターで皮膚を通して測った値をSpO2と呼びます。手の冷えや体の動きなどで測定値が影響を受けるため、本人の症状や普段の値と合わせて判断します。

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胃ろういろう

おなかの表面から胃へ通じる穴をつくり、チューブで栄養や水分を入れる方法。口から十分に食べられない場合などに検討されます。胃ろうがあっても、飲み込む力や病状に応じて口から食べることを併用できる場合があります。

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経鼻胃管けいびいかん

鼻から食道を通して胃まで入れるチューブ。口から十分に食べられないとき、栄養や水分を胃へ届ける経管栄養などに用います。適切な位置にあるか、抜けや詰まり、鼻やのどの傷がないかなどの管理が必要です。

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カテーテル

検査や治療のため、血管や臓器などに入れて使う細い管。薬や栄養を入れる、尿や体液を外へ出すなど、目的によって種類が異なります。留置中は感染、詰まり、抜けなどに注意し、種類に合った管理を行います。

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敗血症はいけつしょう

感染症に対する体の反応がうまく調節できなくなり、臓器の働きが大きく損なわれる重い状態。肺炎、尿路感染症、傷の感染などをきっかけに起こります。命に関わるため、早期の発見と治療が必要です。

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アルコール依存症アルコールいぞんしょう

飲酒によって健康や生活に問題が起きていても、自分で飲む量や飲み方を調節しにくくなる病気。本人を責めるのではなく、専門的な治療と、家族や自助グループなどの継続した支えを組み合わせて回復を助けます。

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片麻痺へんまひ

体の右側または左側の手足が動かしにくくなる麻痺。脳卒中などでみられます。麻痺のある側を患側、麻痺のない側を健側といい、残っている力やバランスに合わせて、移動や着替えなどを支援します。

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気管切開きかんせっかい

首の皮膚から気管へ通じる穴をつくり、呼吸の通り道を確保する処置。気管カニューレという管を入れ、人工呼吸器につないだり痰を吸引したりします。管の固定、分泌物、切開部の皮膚や清潔の管理が必要です。

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中心静脈ちゅうしんじょうみゃく

心臓に近い、血液が多く流れる太い静脈。中心静脈カテーテルは、そのような血管に先端を置く医療用の管です。栄養剤の投与だけでなく薬剤の投与などにも用いられ、血管そのものと中心静脈栄養法という治療方法は区別します。