問題26
次の疾病の特徴として,より適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 2・3・4
高齢者に多い病気について、症状の出方や原因を正しくつかめているかを問う問題です。心臓・腎臓・内分泌・感染症と、幅広い分野から出ています。
ポイントは次の3つです。
- 症状が出る理由を体の仕組みから理解する。で息苦しいときに上半身を起こすと楽になるのは、横になると肺に血液が戻りすぎてうっ血が強まるからです。
- 高齢者では教科書どおりの症状が出にくい。ののどの渇きや多尿は、高齢者でははっきり現れず、発見が遅れることがあります。
- 病気の原因が細菌なのかウイルスなのかを分けて覚える。原因が違えば使う薬も変わります。
狭心症は前胸部の圧迫感が代表的な症状であり、帯状疱疹は細菌ではなくウイルスによる病気です。この2つを言い切った1と5が誤りとなり、残る2・3・4が正答になります。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。狭心症は、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が細くなって心筋が一時的に酸素不足になる病気です。前胸部の圧迫感や締めつけられる感じが代表的な症状で、体を動かしたときに起こり、数分の安静やニトログリセリンで治まるのが特徴です。高齢者では痛みを訴えず、息切れや肩・みぞおちの違和感として現れることもあります。
- 〇適切です(正答)。心不全のある人が横になると、下半身にたまっていた血液が心臓や肺に戻り、肺のうっ血が強まって息苦しくなります。上半身を起こした起座位にすると肺への負担が軽くなり、呼吸が楽になることがあります。これをといい、心不全を疑う手がかりになります。
- 〇適切です(正答)。慢性腎不全では、腎臓が余分な水分や電解質を尿として出す力が落ちます。水分をとりすぎるとむくみや心不全につながり、カリウムがたまると不整脈や心停止の危険があります。生野菜や果物、いも類はカリウムが多いため、医師の指示に沿った食事の管理が必要です。
- 〇適切です(正答)。高齢者はのどの渇きを感じる力が鈍く、腎臓の働きの変化もあって、糖尿病の典型症状である口渇・多飲・多尿がはっきり出にくいとされます。そのため発見が遅れやすく、なんとなく元気がない、体重が減った、感染症を繰り返すといった変化から気づかれることがあります。
- ✕不適切です。帯状疱疹は細菌ではなく、水痘・帯状疱疹ウイルスによる病気です。子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスが神経に潜んでいて、加齢や疲れで体の抵抗力が落ちたときに再び活動し、体の片側に帯状の発疹と強い痛みが出ます。治療には抗ウイルス薬が使われます。
問題27
高齢者の精神障害について,より適切なものはどれか。 2つ選べ。
答えと解説を見る
正答 3・5
高齢者に見られる心の病気について、正しい理解と望ましい関わり方を問う問題です。「〜することはない」「〜にすぎない」と決めつける選択肢が並んでおり、そこが見分けの手がかりになります。
ポイントは次の3つです。
- 老年期のは、気分の落ち込みだけでなく体の不調の訴えや妄想を伴うことがあり、自死の危険も高い。
- 妄想への対応は、本人を説き伏せることでも話を合わせることでもなく、不安な気持ちに寄り添うこと。
- 依存症の回復には、医療だけでなくなど地域の支え合いの場が力になる。
うつ病に妄想も自死もないと言い切る1と2、神経症を気のもちようとする4は、いずれも誤りです。本人の気持ちへのを大切にする3と、自助グループの活用が有用だとする5が正答になります。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。老年期のうつ病では、妄想が現れることが少なくありません。重い病気にかかっていると思い込む心気妄想、お金がなくなったと信じる貧困妄想、自分は罪深いと責める罪業妄想などが代表的です。もの忘れの訴えを伴ってと間違われることもあるため、慎重な見極めが必要です。
- ✕不適切です。高齢者のうつ病は自死につながる危険が高く、高齢者の自殺の背景にうつ病があることは多いとされています。「死にたい」という言葉を軽く扱わず、本人の訴えを受け止めたうえで、速やかに主治医や精神科医療につなぐことが大切です。
- 〇適切です(正答)。妄想の内容を頭から否定すると、本人は理解されないと感じて関係が壊れ、かえって訴えが強まります。逆に事実として調子を合わせるのも適切ではありません。内容そのものを認めるのではなく、不安や困っている気持ちに共感して信頼関係を築くことが、対応の土台になります。
- ✕不適切です。神経症(不安障害など)は、強い不安や体の症状によって生活に支障が出る状態で、治療の対象となる病気です。「気のもちよう」と片づけると本人は責められたように感じ、受診が遅れます。専門的な治療や環境を整える工夫によって、改善が期待できます。
- 〇適切です(正答)。は本人の意志の弱さの問題ではなく、専門的な治療と、回復を続ける場が必要です。断酒会やAAといった自助グループは、同じ経験をした仲間とつながることで断酒を続ける力になります。医療機関だけでなく地域のを組み合わせることが有用です。
問題28
次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・3・4
血圧・脈拍・意識といった、体の状態を示す基本的な指標()についての問題です。が自分で診断するわけではありませんが、異変に早く気づき、医療につなぐために欠かせない知識です。
ポイントは次の3つです。
- 加齢で血管が硬くなると、収縮期血圧(上の血圧)は高くなり、拡張期血圧(下の血圧)は低くなって、上下の差が開きやすい。
- 通常の脈拍の評価では、手首で触れにくいときにやを確かめる方法があります。ただし救命の場面では、反応がなく普段どおりの呼吸もなければ、脈を探し続けず、119番通報・の手配とを進めます。
- 意識障害には軽い方から傾眠・昏迷・昏睡という段階があり、昏睡は最も重い状態を指す。
血圧の変化を逆に述べた2と、昏睡を軽い状態のように説明した5が誤りです。残る1・3・4が正答となります。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。は、立ち上がったときに血圧が下がり、めまいやふらつき、転倒を招く状態です。加齢による血圧調節の働きの低下に加え、血圧を下げる降圧薬や体の水分を減らす利尿薬、一部の向精神薬なども原因になります。薬が始まった時期と症状が出た時期を確かめ、主治医に伝えることが大切です。
- ✕不適切です。加齢で血管の弾力が失われると、心臓が血液を押し出すときの勢いを血管が受け止めきれず、収縮期血圧(上の血圧)はむしろ高くなります。一方で拡張期血圧(下の血圧)は低くなりやすく、上と下の差が広がるのが高齢者の特徴です。
- 〇適切です(正答)。手首のは、血圧が下がっているときや手足が冷えているときには触れにくくなり、通常の脈拍の評価では頸動脈や大腿動脈で確かめる方法があります。ただし、反応のない人の救命対応で脈を探し続けてはいけません。119番通報とAEDの手配を行い、普段どおりの呼吸があるかを10秒以内で確認し、呼吸がない、又は判断に迷う場合は胸骨圧迫を始めます。
- 〇適切です(正答)。重い徐脈では、脈が極端に遅くなって脳へ送られる血液が足りなくなり、めまいや失神を起こすことがあります。心臓が原因で起こるこうした失神はアダムス・ストークス発作と呼ばれ、放置すると危険です。原因によってはペースメーカーの検討が必要になります。
- ✕不適切です。刺激がないと眠ってしまう状態は傾眠といいます。昏睡は意識障害のうち最も重い段階で、強い痛みなどの刺激を与えても目を覚まさず、意味のある反応が見られない状態です。意識障害は軽い方から傾眠・昏迷・昏睡と表され、言葉の違いを区別して伝えることが求められます。
問題29
検査項目について適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 2・3・4
血液検査などの数値が何を表しているのかを問う問題です。が診断をするわけではありませんが、主治医とやりとりしたり、で情報を共有したりするうえで欠かせない基礎知識です。
ポイントは次の3つです。
- その値がどの臓器や状態を映しているか。AST・ALTは肝臓の障害、は腎臓の働きをみる参考になります。は従来、栄養評価の参考に使われてきましたが、炎症などの影響を受けるため値だけで栄養状態を判断しません。
- どのくらいの期間を映しているか。はおよそ1〜2か月の平均的な血糖の状態を反映します。アルブミンについての選択肢2は、従来の評価法を前提に正答とされていますが、臨床では期間を区切った栄養状態の測定値とは扱いません。
- 計算式は、何を何で割るのかを取り違えないこと。
の計算式を逆に書いた1と、ヘモグロビンA1cを過去1週間の指標とした5が誤りで、残る2・3・4が正答となります。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って求めます。設問は体重と身長が逆になっています。やせや肥満の目安として使われ、高齢者では値が低いことがやのサインになるため、体重の変化とあわせて見ていくことが大切です。
- 〇適切です(正答)。本問では、血清アルブミンを比較的長い期間の栄養評価の参考にしてきた従来の扱いに基づき、正答とされています。ただし、血清アルブミンは炎症や肝臓・腎臓の病気などにも左右され、体のたんぱく質量や筋肉量、過去数週間の栄養状態を直接測る値ではありません。臨床では、食事量、体重減少、筋肉量などを合わせて栄養状態を評価します。
- 〇適切です(正答)。AST(GOT)とALT(GPT)は肝臓の細胞に多く含まれる酵素で、細胞が壊れると血液中に増えます。肝炎や脂肪肝、胆道の病気などをみる指標になります。ASTは心臓や筋肉にも含まれるため、2つの値を見比べて判断されます。
- 〇適切です(正答)。クレアチニンは筋肉が使われたあとに出る老廃物で、腎臓から尿へ捨てられます。腎臓の働きが落ちると血液中にたまるため、値が高いほど腎機能の低下が疑われます。ただし筋肉量の少ない高齢者では低めに出ることがあり、値だけで判断しない注意が必要です。
- ✕不適切です。ヘモグロビンA1cが映すのは、およそ過去1〜2か月の平均的な血糖の状態で、1週間ではありません。採血直前の食事に左右されにくいため、の治療がうまくいっているかを振り返る指標として使われます。
問題30
次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・2・3
日常生活の介護の基本と、介護で使う言葉の意味を正しく理解しているかを問う問題です。ふだんの業務で身についていれば取りやすい一方、用語の定義をあいまいに覚えていると迷う作りになっています。
ポイントは次の3つです。
- 介護は本人の力を奪わないこと。できることは本人にしてもらい、できない部分を補うのがの考え方です。
- 入浴や清拭は、清潔を保つ行為であると同時に、体調に影響する行為でもある。室温や体調の確認が欠かせません。
- 似た言葉を混同しない。と残尿、と生活リズムを整える関わりは、それぞれ別のものです。
を活かすこと、入浴の効果、清拭のときに室温を確かめることは、いずれも基本どおりで適切です。一方、尿失禁を残尿と取り違えた4と、ボディメカニクスを生活リズムの回復と説明した5が誤りとなり、1・2・3が正答です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。介護は、本人のできないことをすべて肩代わりすることではありません。残っている力(残存能力)を使ってもらうことが、身体の働きの維持と本人の自信につながります。時間がかかっても見守り、必要な部分だけを手伝う姿勢が自立支援の基本です。
- 〇適切です(正答)。入浴には体を清潔に保つだけでなく、温まることで血液の巡りをよくし、新陳代謝を高め、筋肉の緊張をやわらげて気分を落ち着かせる効果があります。一方で血圧の変動やも起こりやすいため、入浴の前後に体調を確かめ、水分をとってもらうことが欠かせません。
- 〇適切です(正答)。清拭では体を露出させるため、部屋が寒いと体が冷えて血圧の変動や体調不良を招きます。あらかじめ室温を確かめて暖めておき、すきま風を防ぎ、拭かない部分はタオルで覆います。湯の温度の確認や、本人の羞恥心への配慮も大切です。
- ✕不適切です。尿を出しきれずに膀胱の中に尿が残ることは、残尿といいます。尿失禁は、自分の意思に反して尿がもれてしまうことです。尿失禁には腹圧性・切迫性・溢流性・機能性などの種類があり、原因によって対応が変わるため、区別して見立てることが大切です。
- ✕不適切です。ボディメカニクスとは、人の体の動きの仕組みを利用して、少ない力で安全に介助する技術のことです。足を開いて支える面を広くとる、重心を低くする、体をねじらないといった原則があり、介護する人の腰痛予防にも役立ちます。生活リズムを取り戻すことを指す言葉ではありません。
問題31
次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・2・5
この問題は、口の中の働きと、食べること・飲み込むことに関する基本的な知識をまとめて問うています。
ポイントは次の2つです。
- 味を感じるしくみと、という言葉の意味は、定義をそのまま押さえておきます。飲食物が食道ではなく気管の側に入ってしまうことが誤嚥です。
- 口の健康は全身に影響します。噛む力や舌の動き、滑舌などのささいな衰えをと呼び、放っておくとや心身の衰えにつながります。
したがって、味蕾の説明(1)、誤嚥の定義(2)、口を動かすことがオーラルフレイルの予防になること(5)の3つが適切です。残りの2つは「心配はない」「無関係である」と言い切っており、いずれも実際とは逆の内容です。言い切りの選択肢はまず疑ってかかると判断しやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。味を感じ取っているのは、舌の表面や上あご(口蓋)、のどの奥などにある味蕾という小さな器官です。ここに飲食物の成分が触れると、その刺激が神経を通って脳に伝わり、甘い・塩辛いなどの味として感じられます。高齢になると味蕾の数が減り、薬の影響や口の乾燥も重なって、味が分かりにくくなることがあります。
- 〇適切です(正答)。誤嚥とは、飲食物や唾液、逆流した胃の内容物が、食道ではなく気管の側に入ってしまうことをいいます。むせ込みが起こらない誤嚥()もあり、気づかないうちににつながることがあります。食事中だけでなく、眠っている間の唾液の誤嚥にも注意が必要です。
- ✕不適切です。PTP包装シートは角がとがっており、飲み込むと食道や胃、腸の壁を傷つけたり、穴を開けてしまったりする危険があります。自然に排泄されるのを待ってよいものではなく、飲み込んだ疑いがあればすぐに受診が必要です。予防としては、シートを1錠ずつ切り離さず、必要な分を取り出して手渡すようにします。
- ✕不適切です。歯を失って噛む力が落ちると、食べられるものが偏って低栄養になり、噛む刺激が脳に届きにくくなることから、の低下と関係があると指摘されています。逆にが進むと歯みがきが難しくなり、口の中の状態が悪化します。口腔環境と認知症は、互いに影響し合う関係にあります。
- 〇適切です(正答)。オーラルフレイルとは、滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせなど、口の働きのささいな衰えが積み重なった状態をいいます。舌や頬を動かす体操をする、しっかり噛んで食べる、人と会話するなど、口とその周りの筋肉を使うことが予防につながります。早い段階で気づいて手を打つことが大切です。
問題32
認知症について適切なものはどれか。 2つ選べ。
答えと解説を見る
正答 2・5
この問題は、の症状の見分け方と、認知症のケアに向かうときの姿勢の両方を問うています。
ポイントは次の2つです。
- 認知症は種類によって現れ方が違います。ありありとした幻視や、動作が遅くなる・体がこわばるといった症状が目立つのはで、は性格の変化や同じ行動の繰り返しが特徴です。
- (認知症の行動・心理症状)は、体調や人間関係、住まいの環境などのきっかけで強くなったり弱まったりします。だからこそ、環境を整えるケアに意味があります。
以上から、が他の精神疾患と間違われることがあること(2)と、本人の同意を得たうえで心身の変化を主治医に伝えること(5)の2つが適切です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。BPSDとは、不安、興奮、歩き回る、妄想など、認知症に伴って現れる行動や気持ちの症状のことです。騒がしさ、暗さ、慣れない部屋の配置といった住環境や、周りの人の接し方に大きく左右されます。環境因子の影響を受けるからこそ、住まいや関わり方を整えることがケアの中心になります。
- 〇適切です(正答)。65歳未満で発症する若年性認知症は、初めのうち意欲の低下や仕事上のミスとして現れることが多く、や更年期の不調、などと間違われることがあります。その結果、正しい診断までに時間がかかり、仕事や家計の立て直しが遅れやすいという課題があります。
- ✕不適切です。ありありとした幻視やパーキンソン症状(動作が遅い、体がこわばる、手が震える)が特徴なのは、レビー小体型認知症です。前頭側頭型認知症の特徴は、周囲に構わず行動してしまう脱抑制、決まった時間に同じ行動を繰り返す常同行動、性格や振る舞いの変化などです。
- ✕不適切です。は、認知症の人を一人の人として尊重し、その人の目線や気持ちから物事を捉えようとする考え方です。介護者の都合や効率を優先する考え方とはむしろ正反対で、本人が何を感じ、何を求めているかを出発点にしてケアを組み立てます。
- 〇適切です(正答)。は、暮らしの中の変化に気づける立場にあります。食欲の落ち込みや薬の飲み残し、ふらつきなどを主治医に伝えれば、短い診察時間では見えない情報が診断や処方に生かされ、よりよい医療につながります。伝えるにあたって本人の同意を得ることが前提である点も押さえておきます。
問題33
リハビリテーションについて,より適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・2・3
この問題は、の考え方と、病気やけがからの時期に応じた目標の違いを問うています。
ポイントは次の2つです。
- リハビリテーションには、弱った機能そのものを回復させる治療的アプローチと、残っている力や道具・環境の工夫で補う代償的アプローチがあります。
- 急性期、回復期、維持期(生活期)、終末期と、どの時期にもリハビリテーションはあります。急性期は動かないことによる衰えを防ぐこと、回復期は集中的な訓練で生活する力を取り戻すことが目標です。
したがって、代償的アプローチに残存機能の活用が含まれること(1)、急性期の目標(2)、回復期リハビリテーション病棟の内容(3)の3つが適切です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。代償的アプローチとは、失われた機能を無理に元へ戻そうとするのではなく、残っている力や、住まいの工夫で補うやり方です。動きにくい方の手ではなく動く方の手を使う、自助具を用いる、手すりを付けるなどがこれに当たり、残存機能を活かすことはその中心にある考え方です。
- 〇適切です(正答)。急性期は、病気やけがの治療を受けている時期です。安静が続くと短期間で筋力が落ち、関節が固まり、意欲まで低下します()。これを防ぎ、寝返りや起き上がり、食事や着替えといった身の回りのことを早い段階から自分でできるようにすることが、この時期の目標になります。
- 〇適切です(正答)。回復期リハビリテーション病棟は、や大腿骨の骨折などのあと、集中的に訓練を行って自宅へ帰ることを目指す病棟です。医師、看護師、、、、、などがチームを組み、計画を立てて毎日まとまった時間の訓練を行います。
- ✕不適切です。終末期にある人もリハビリテーションの対象です。目的は機能の回復ではなく、痛みや息苦しさをやわらげ、座って過ごす、口から食べる、家族と言葉を交わすといったその人らしい時間をできるだけ保つことに置かれます。対象から外れるという考え方はとりません。
- ✕不適切です。では、屋内の訓練にとどまらず、買い物や通院を想定した屋外での歩行訓練や、バスなど公共交通機関の乗り降りの練習も対象になります。実際の生活の場でできるようにすることが目的なので、社会参加につながる場面も支援の範囲に含まれます。
問題34
次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・3・5
この問題は、薬をめぐる職種ごとの役割分担と、服薬を支えるときの注意点を問うています。
ポイントは次の2つです。
- 薬を処方できるのは医師と歯科医師だけです。薬剤師の仕事は、処方箋に基づいて薬を用意する調剤と、飲み方の説明、飲み合わせの確認です。
- 薬は他の薬だけでなく、健康食品やサプリメント、飲み物とも影響し合います。また、飲み続けてきた薬を急にやめると、かえって危険な症状が出ることがあります。
したがって、薬剤師は処方できないこと(1)、健康食品との相互作用に注意が必要なこと(3)、内服薬は水またはぬるま湯で飲むこと(5)の3つが適切です。残る2つは「行ってはならない」「起こることはない」と言い切っており、いずれも実際とは違います。は薬の中身を判断する立場ではありませんが、飲み残しや体調の変化に気づいて医療職につなぐ役割を担います。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。薬を処方する権限を持つのは医師と歯科医師です。薬剤師は、その処方箋に従って薬を調剤し、飲み方を説明し、量や飲み合わせに疑問があれば医師に問い合わせます(疑義照会)。役割ははっきり分かれており、薬剤師が自分の判断で処方を出すことはできません。
- ✕不適切です。医師の処方を受けた薬について、容態が安定しているなど一定の条件を満たす場合、介護職員が服薬を手伝うことはには当たらないとされています。ただし、薬の量を勝手に加減したり、飲む薬を選んだりすることはできず、いつもと違う様子に気づいたら医療職に伝えます。
- 〇適切です(正答)。健康食品やサプリメントにも成分の働きがあり、薬の効き目を強めすぎたり弱めたりすることがあります。例えば、血液を固まりにくくする薬のうち、を飲んでいる人がビタミンKを多く含む食品をたくさんとると効果が落ちます。何を飲んでいるかを医師や薬剤師に伝えてもらうことが大切です。
- ✕不適切です。長く飲んでいた薬を急にやめると、症状が元より強く戻ってきたり、離脱症状が出たりすることがあります。血圧の薬や睡眠薬、ステロイドなどが代表的です。薬が変わったり中止になったりしたあとは、いつもと違う様子がないかを見守り、気づいたことを主治医に伝えます。
- 〇適切です(正答)。内服薬は、コップ1杯程度の水かぬるま湯で飲むのが基本です。水が少ないと薬が食道にとどまり、粘膜を傷つけることがあります。また、お茶やジュース、牛乳などで飲むと、薬によっては吸収のされ方や効き目が変わってしまうため、指示がない限り水かぬるま湯を使います。
その後の制度の動き2022年(令和4年)12月1日付けの厚生労働省通知(医政発1201第4号)と、2025年(令和7年)12月26日付けの通知(医政発1226第12号)により、介護職員が行える医行為でない行為が追加されました。吸入薬の吸入や分包された液剤の内服の介助、お薬カレンダーへの薬のセット、服薬の直前にPTPシートから薬を取り出すことなどが新たに含まれています。服薬介助そのものは2005年(平成17年)の通知で一定の条件のもとに認められていたため、選択肢2が適切でないという扱いは変わらず、この問題の正答自体は変わりません。
問題35
次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・2・4
この問題は、医療と介護をつなぐ役割を担うの立ち位置と、連携の場面を問うています。
ポイントは次の2つです。
- 入院から退院、在宅復帰までの流れの中には、情報を橋渡しする道具や場面が用意されています。入院時情報提供書やがその代表です。
- チームアプローチは、医療職や介護職といった専門職だけで組むものではなく、家族や近隣の人、ボランティアといった制度によらない支え手も含みます。
したがって、入院時情報提供書が使われること(1)、EBMが根拠に基づく医療を指すこと(2)、退院前カンファレンスへの参加が望ましいこと(4)の3つが適切です。残る2つは、介護支援専門員の関わりを狭めたり、チームの顔ぶれを専門職だけに限ったりする内容で、いずれも連携を大切にするの考え方と合いません。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。利用者が入院すると、それまでの暮らしぶりや家族の状況、利用していたサービスの内容は病院には分かりません。事業所が入院時情報提供書でこれらを早めに伝えることで、病院側は退院後の生活を見据えた治療や支援を組み立てやすくなります。
- 〇適切です(正答)。EBMは「根拠に基づく医療」と訳されます。個人の経験や昔からの慣習だけに頼らず、研究で確かめられた根拠と、医療者の技術や経験、そして本人の希望や価値観の3つを合わせて方針を決める考え方です。根拠だけで機械的に決めるものではない点も押さえておきます。
- ✕不適切です。介護支援専門員は、本人が治療法を選ぶ場面で、それぞれの選択が暮らしにどう響くか、どんなサービスが使えるかを整理して伝える立場にあります。医療の内容そのものを判断するわけではありませんが、本人が納得して選べるよう情報をそろえ、疑問を主治医に確認できるよう支えます。
- 〇適切です(正答)。退院前カンファレンスは、病院の医師や看護師、職と、本人や家族、在宅側の支援者が集まり、退院後の生活の見通しを共有する場です。介護支援専門員が参加すれば、退院した日から必要なサービスをそろえられ、自宅に戻ってから慌てずにすみます。
- ✕不適切です。チームアプローチは、医師や看護師、介護職などの専門職だけで組むものではありません。家族、近隣の人、、ボランティアや地域の見守り活動といった制度によらない支え手も、暮らしを支える大切な一員としてチームに含まれます。むしろその力を活かすことが求められます。
問題36
高齢者の栄養・食生活について適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 2・3・4
高齢者の食事について、体に起こる変化と、支援するときの心構えの両方を問う問題です。
ポイントは次の2つです。
- 年をとると噛む力(咀嚼)や唾液の量が減り、飲み込む力も落ちるため、むせたり食べこぼしたりしやすくなります。食べ方の変化は、口や飲み込みの働きを確かめる合図と考えます。
- 食事は栄養を摂るためだけのものではありません。食べたいものを食べたい形で味わうことはその人らしい暮らしそのものであり、支える家族の事情も含めて全体を見て考えます。
体の変化を述べた選択肢2、機能の評価につなげる選択肢3、食べることの意味を述べた選択肢4が適切です。一方、間食を頭から否定したり、家族の状況を考えなくてよいとする記述は、支援の基本から外れています。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。一度にたくさん食べられない高齢者では、少ない量を回数多く摂るほうが体への負担が軽くなります。そのため、おやつや栄養補助食品などの間食で足りない分を補うことは、むしろ有効な工夫です。何をどれだけ補うかをと相談するとよいでしょう。
- 〇適切です(正答)。加齢とともに歯が失われたり噛む力が衰えたりし、唾液の分泌も減るため、食べ物が口の中でまとまりにくくなります。さらに飲み込む反射も遅れやすくなるので、摂食・が起こりやすくなります。食事中のむせや食事時間が長くなることは、その現れです。
- 〇適切です(正答)。口から食べ物をこぼすのは、唇を閉じる力や舌の動き、噛み合わせなどが低下しているサインです。行儀の問題として片づけず、歯科医師やなどにつないで口腔・嚥下機能を評価してもらうことが、やを防ぐことにつながります。
- 〇適切です(正答)。食べることは栄養を摂るだけの行為ではなく、好きなものを味わう楽しみや、人と食卓を囲む喜びを含んでいます。何をどのように食べるかを本人が選べるよう支えることは、その人らしさを守り、尊厳ある自己実現を支援することにつながります。
- ✕不適切です。食事の用意や見守りを担うのは家族であることが多く、家族の体調や仕事、調理の得意不得意によってできることは変わります。無理な献立を求めても長続きしません。家族の状況を踏まえ、配食サービスやの活用も含めて計画することが必要です。
問題37
次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 3・4・5
在宅でも使われる医療的な処置や機器について、名前と中身が正しく結びついているかを問う問題です。
ポイントは次の2つです。
- 栄養を送る方法は、鼻から胃へ管を通す、おなかに開けた穴から入れる、血管から送ると経路が分かれます。どの管をどこに入れるのかを取り違えないことが大切です。
- シャント、、は、それぞれ、痰の排出、酸素の状態を見るための仕組みです。も役割を知っておく必要があります。
用語の説明が正しい選択肢3、4、5が適切です。中心静脈栄養法で使う血管の場所と、経鼻胃管と胃ろうの器具の取り違えが引っかけになっています。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。中心静脈栄養法は濃い栄養輸液を使うため、腕などの細い末梢静脈では血管に負担がかかり、かえって静脈炎を起こします。そこで鎖骨の下などから細い管を入れ、その先端を心臓に近い太いに置いて注入します。名前のとおり中心静脈を用いる方法です。
- ✕不適切です。バルーン型とバンパー型は、おなかに開けた穴から胃に管を入れる胃ろうについて、胃の内側で抜けないように留める部分の形による分け方です。鼻から胃まで管を通す経鼻胃管の分類ではありません。
- 〇適切です(正答)。血液透析では短い時間に大量の血液を体の外へ出し入れするため、普通の静脈では血流が足りません。そこで手首の近くなどで動脈と静脈を手術でつなぎ合わせ、静脈に勢いのある血流を流す出入口をつくります。これがシャントで、その腕での血圧測定や圧迫は避けます。
- 〇適切です(正答)。ネブライザーは薬液や水分を細かい霧にして吸い込ませる機器です。気道を湿らせることで、固くなって出しにくい痰をやわらかくし、排出を助けます。ぜんそくなどで気管支を広げる薬を肺に直接届ける目的でも使われます。
- 〇適切です(正答)。パルスオキシメーターは指先などに挟み、光を当てて、血液中のヘモグロビンがどれくらい酸素と結びついているか()を、針を刺さずに測る機器です。息苦しさや肺炎などの早期発見の手がかりになり、在宅でも広く使われています。
問題38
次の記述のうち,より適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・3・5
日常の介護場面で見逃してはいけない体のサインと、薬の飲み方の基本を問う問題です。は治療をする立場ではありませんが、危険な変化に気づいて医療につなぐ役割があります。
ポイントは次の3つです。
- 突然、言葉が出ない、ろれつが回らないといった症状はを疑い、様子を見ずにすぐ救急につなげます。
- 頭を打った後は、その場で変わりがなくても、後から症状が出てくることがあります。
- は皮膚のはりや口の乾きで気づけます。また前立腺肥大症では尿をためすぎるとまったく出せなくなることがあり、我慢は禁物です。
体のサインを正しくとらえている選択肢1、3、5が適切です。食間という言葉の意味を取り違えている記述と、頭部打撲後に意識障害がなければ問題ないと油断する記述が誤りになります。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。手の甲の皮膚をつまんで離したとき、すぐに戻らずしわが残る状態をツルゴールの低下といい、体の水分が減っているサインです。高齢者はのどの渇きを感じにくいため、口の中の乾きや尿量の減少、微熱などとあわせて脱水を疑い、水分摂取と受診につなげます。
- ✕不適切です。食間とは食事と食事の間、つまり前の食事からおおむね2時間ほど経った空腹のときをいいます。食事をしながら飲むという意味ではありません。言葉のとおりに受け取ると誤った飲み方になるため、介護職も正しく理解しておく必要があります。
- 〇適切です(正答)。突然、言葉が出ない、ろれつが回らないという症状は、脳の血管が詰まったり破れたりして起こる脳卒中の代表的なサインです。顔のゆがみや片側の手足の脱力を伴うこともあります。治療は時間との勝負になるため、様子を見ずにすぐ救急要請します。
- ✕不適切です。頭を打った直後に意識がはっきりしていても、数週間から数か月かけて脳の表面に血がたまる慢性硬膜下血腫などが起こることがあります。後から頭痛、もの忘れ、歩きにくさなどが現れるため、しばらくは変化に注意し、異変があれば受診します。
- 〇適切です(正答)。前立腺肥大症では尿の通り道が狭くなっており、我慢して尿をためすぎると膀胱が伸びきって、まったく出せなくなる尿閉を起こすことがあります。そのため、尿意を感じたら早めにトイレに行くよう心がけ、トイレまでの動線を整えることも大切です。
問題39
次の記述のうち適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・4・5
高齢者の健康づくりと、病気の予防や悪化防止についての基本的な考え方を問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- 国の健康づくりの取り組みは、単に長生きすることではなく、介護を必要とせずに暮らせる期間()を延ばすことを目指しています。
- 高齢期の不調の多くは、動かないことでかえって悪くなります。も膝の痛みも、安静にし続けるのではなく、状態に合った運動を続けることが基本です。
- のように、症状が出ないまま進み、骨折して初めて分かる病気もあります。自覚症状の有無だけで判断せず、検査で確かめるという考え方が求められます。
健康寿命の延伸を掲げた選択肢1、運動の効果を述べた選択肢4、症状がなくても骨の状態を調べる意義を述べた選択肢5が適切です。社会参加や運動を頭から否定する記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。健康日本21(第二次)は平成25年度から始まった国民の健康づくり運動で、健康上の問題なく日常生活を送れる期間である健康寿命を延ばすことと、地域や暮らし向きによる健康格差を縮めることを大きな目標に掲げていました。
- ✕不適切です。仕事やボランティア、地域の集まりへの参加は、体を動かす機会と人とのつながりを保ち、食欲や意欲の低下を防ぎます。人との関わりが薄れることはの入り口とされており、社会参加はむしろフレイル予防の柱の一つです。
- ✕不適切です。パーキンソン病では、動かないでいると関節が固まり筋力も落ちて、かえって転びやすくなります。転倒に注意しながら、歩き方や姿勢の訓練などの運動療法を続けることが、生活の維持と症状の進行を遅らせるうえで重要であり、禁忌ではありません。
- 〇適切です(正答)。変形性膝関節症では、膝を支える太ももの筋肉が衰えると関節にかかる負担が増し、痛みや腫れが強まります。太ももの筋力を高める体操や水中歩行など、膝に負担の少ない運動を定期的に続けることが、痛みをやわらげ機能を保つうえで効果的です。
- 〇適切です(正答)。骨粗鬆症は骨がもろくなっても自覚症状が乏しく、骨折して初めて気づくことが少なくありません。特に女性は閉経後に骨量が急に減ります。骨折は寝たきりの大きな原因になるため、症状がなくても骨密度の検査を受けることがすすめられます。
その後の制度の動き2024年(令和6年)4月から適用された健康増進法に基づく基本方針の全部改正(令和5年厚生労働省告示第207号)により、健康日本21(第二次)は令和5年度で終了し、令和6年度から令和17年度までを計画期間とする健康日本21(第三次)に移行しました。第三次でも基本的な方向の一番目に「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」が掲げられており、健康寿命を延ばすという目標は引き継がれています。そのため、この問題の正答自体は変わりませんが、現在動いている計画の名称は第三次である点に注意してください。
問題40
臨死期について適切なものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・3・5
亡くなる直前の時期()に体に何が起こり、周囲がどう関わるとよいかを問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- 臨死期には、喉に唾液がたまって呼吸のたびに音がするや、呼吸のリズムの乱れなど、特有の変化が現れます。あらかじめ家族に伝えておくと、慌てずに看取ることができます。
- 聴覚は最期まで残るといわれ、応答がなくなっても語りかけは続けます。亡くなった後のエンゼルケアも、その人らしさを守るケアの一部です。
- 在宅でのでは、医師が息を引き取る瞬間に立ち会う必要はありません。事前に主治医やと連絡の取り方を決めておくことが要点になります。
家族への説明、死前喘鳴、エンゼルケアについて述べた選択肢1、3、5が適切です。医師の立ち会いを必須とする記述と、語りかけをやめるという記述が誤りになります。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。食べられなくなる、眠っている時間が増える、呼吸が乱れるなど、これから起こる変化を医師から前もって家族に説明してもらうことで、家族は心の準備ができ、驚いて救急車を呼んでしまうことも防げます。は、その場が持てるよう調整します。
- ✕不適切です。在宅での看取りでは、息を引き取る瞬間に医師が立ち会う必要はありません。あらかじめ主治医や訪問看護と連絡の取り方を決めておけば、亡くなった後に医師が診察してを書くことができます。この段取りを事前に共有しておくことが大切です。
- 〇適切です(正答)。飲み込む力が弱まり、唾液や分泌物が喉にたまることで、呼吸のたびにゴロゴロと音がする死前喘鳴が起こることがあります。本人が苦しんでいるとは限りませんが、家族には苦しそうに見えるため、事前の説明と、体の向きを変えるなどの対応が求められます。
- ✕不適切です。聴覚は最期まで保たれるといわれており、応答がなくても声は届いている可能性があります。名前を呼ぶ、これまでの感謝を伝えるといった語りかけを続けることは、本人の安心につながり、家族にとってもかけがえのない別れの時間になります。
- 〇適切です(正答)。エンゼルケアは、亡くなった後に体を清め、口元や顔を整え、その人らしい身なりにするケアです。故人の尊厳を守るとともに、家族が一緒に行うことで別れを受け止め、悲しみを整理していく過程を支える意味も持っています。
問題41
訪問看護について正しいものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 2・3・4
がどの保険から給付されるのか、事業所の指定や管理者の要件はどうなっているのか、そしてサービス提供時の基本方針は何かを、まとめて問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- 訪問看護はを受けた人にはが優先しますが、急な悪化などでが出された期間や、末期の悪性腫瘍など国が定める疾病・状態に該当する場合には、から給付されます。
- 訪問看護ステーションの管理者は、原則として常勤のまたは看護師でなければなりません。
- 病院や診療所が健康保険の保険医療機関の指定を受けると、改めて申請しなくても介護保険の訪問看護事業者の指定を受けたものとみなされます(みなし指定)。
以上から、管理者の要件を述べた選択肢2、基本方針を述べた選択肢3、みなし指定を述べた選択肢4が正しくなります。給付する保険の切り替わりと、24時間対応が義務ではないことの2点が、間違えやすい箇所です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。急な悪化などで主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合、その期間の訪問看護は医療保険から給付されます。介護保険のであっても、この期間だけは医療保険に切り替わるという例外で、繰り返し問われるところです。
- 〇適切です(正答)。指定訪問看護ステーションの管理者は、原則として常勤の保健師または看護師でなければならないと定められています。専ら管理業務にあたるのが原則ですが、支障がない場合は同じ事業所の訪問看護の仕事を兼ねることができます。
- 〇適切です(正答)。指定訪問看護の基本方針として、利用者の病状や心身の状況、置かれている環境を常に的確に把握し、療養生活を支援して心身の機能の維持回復を目指すことが定められています。主治医との密接な連携も求められます。
- 〇適切です(正答)。健康保険法の保険医療機関の指定を受けた病院や診療所は、申請しなくても介護保険の指定訪問看護事業者とみなされます。これをみなし指定といいます。ただし、事業者があらかじめ別段の申出をした場合は除かれます。
- ✕不適切です。24時間365日の提供は義務ではありません。夜間や休日も連絡が取れて必要に応じて訪問できる体制を整えた事業所を評価する加算は用意されていますが、それはあくまで体制を選んで届け出るもので、すべての事業所に課された義務ではありません。
問題42
指定通所リハビリテーションについて正しいものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・4・5
指定(デイケア)の目的、提供できる施設、置くべき職種、計画の作り方を問う問題です。(デイサービス)との違いを整理できているかが分かれ目になります。
ポイントは次の2つです。
- 通所リハビリテーションを提供できるのは、病院、診療所、、です。医師の指示のもとで行うサービスなので、医師のいない施設では提供できません。
- 通所リハビリテーション計画は、医師と、等の従業者が共同して作成します。作って終わりではなく、進み具合を定期的に評価して必要に応じて見直します。
以上から、基本方針を述べた選択肢1と、計画の作成と見直しを述べた選択肢4・5が正しくなります。は通所介護に置く職種で、通所リハビリテーションのには含まれていません。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。指定通所リハビリテーションの基本方針は、利用者の心身の機能の維持回復を図り、の維持または向上を目指すことです。単に体を動かすだけでなく、暮らしの中でできることを増やしていく視点が求められます。
- ✕不適切です。通所リハビリテーションを提供できるのは、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院に限られます。(特別養護老人ホーム)は含まれません。医師の指示のもとで行うサービスであるためです。
- ✕不適切です。生活相談員は通所介護(デイサービス)に置く職種で、通所リハビリテーションの人員基準には含まれていません。通所リハビリテーションに必要なのは、医師と、理学療法士、作業療法士、または看護職員、介護職員です。
- 〇適切です(正答)。通所リハビリテーション計画は、医師および理学療法士、作業療法士等の従業者が共同して作成します。医師が関与するところが、通所介護の計画との大きな違いです。作成した計画は利用者や家族に説明し、同意を得ることも必要です。
- 〇適切です(正答)。計画は作成したら終わりではなく、進み具合を定期的に評価し、必要に応じて見直すことが求められます。体の状態や暮らし方が変われば目標も変わるため、評価と見直しを繰り返す流れが制度の中に組み込まれています。
問題43
指定短期入所療養介護について正しいものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・2・4
指定(いわゆる医療型の)について、何のために使えるのか、どんな内容を提供するのか、計画はいつ作るのかを問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- 利用者本人の療養生活の質を高めるだけでなく、介護している家族の身体的・精神的な負担を軽くする目的でも利用できます。これを(介護者の休息)といいます。
- 提供する内容は、看護、医学的管理の下における介護、その他必要な医療、そして日常生活上の世話です。医療の要素が入るところがとの違いです。
- 短期入所療養介護計画は、おおむね4日以上続けて利用する場合に作成します。
以上から選択肢1・2・4が正しくなります。急な事情による利用も想定されていますし、に対応する事業所もあります。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。短期入所療養介護は、本人の心身の機能の維持回復に加えて、介護している家族の身体的・精神的な負担を軽くする目的でも利用できます。家族が休息をとれることが、在宅での暮らしを続ける力になるという考え方です。
- 〇適切です(正答)。短期入所療養介護は、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療、ならびに日常生活上の世話を行うサービスと定められています。医師や看護職員による医学的管理が入るところが特徴です。
- ✕不適切です。あらかじめに位置付けられていなくても利用できます。介護者の急病など緊急でやむを得ない場合の受入れも想定されており、その場合は利用したあとにを変更して位置付ける取扱いになります。
- 〇適切です(正答)。短期入所療養介護計画は、おおむね4日以上続けて利用する場合に作成することとされています。ごく短い利用のたびに計画を作る負担は避けつつ、一定の期間になれば目標を定めて計画的に支援する仕組みです。
- ✕不適切です。短期入所療養介護でもは行われます。医学的管理ができる施設で提供されるサービスであり、看取りへの対応を評価する仕組みも設けられています。人生の最終段階を支える受け皿の一つになっています。
問題44
指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護について正しいものはどれか。 3つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・4・5
指定について、基本方針、利用できる人、サービスの中身、運営のルールを問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- の一つで、利用できるのは要介護1から5の人です。このサービスにはの類型がないため、は利用できません。
- 定期巡回サービス、随時対応サービス、随時訪問サービス、サービスを組み合わせて提供します。随時対応サービスでは、利用者本人だけでなく家族等からの相談にも応じます。
- 運営の透明性を保つため、介護・医療連携推進会議をおおむね6か月に1回以上開き、活動状況を報告して評価を受け、その内容を公表します。
以上から選択肢1・4・5が正しくなります。訪問の回数や時間帯は一人ひとりの心身の状況に応じて決めるもので、毎日訪問することが義務づけられているわけではありません。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。基本方針として、利用者が尊厳を保持し、可能な限りその居宅で、有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう援助することが定められています。全体を貫く考え方が、そのまま書かれた内容です。
- ✕不適切です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護には介護予防の類型が設けられていないため、要支援者は利用できません。利用できるのは要介護1から5の人です。地域密着型サービスでも、要支援者が使えるものと使えないものがある点に注意してください。
- ✕不適切です。訪問の回数や時間帯は、利用者一人ひとりの心身の状況や希望に応じて決めるものです。1日に何度も訪問することもあれば、状態に合わせて頻度を調整することもあり、毎日必ず訪問しなければならないという決まりはありません。
- 〇適切です(正答)。随時対応サービスでは、オペレーターが利用者本人だけでなく、その家族等からの在宅介護に関する相談にも適切に対応することとされています。介護している家族を支えることも、このサービスの大切な役割です。
- 〇適切です(正答)。介護・医療連携推進会議は、おおむね6か月に1回以上開催しなければなりません。利用者や家族、地域住民の代表者、市町村の職員、医療関係者などにサービスの提供状況を報告して評価を受け、その内容を公表します。
問題45
介護老人保健施設について正しいものはどれか。 2つ選べ。
答えと解説を見る
正答 1・3
(老健)について、誰が開設できるのか、設備や人員の基準はどうなっているのか、どのような人が入所しているのかを問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- 開設できるのは、地方公共団体、医療法人、などで、都道府県知事の許可を受けます。営利法人(株式会社)は開設できません。
- 型では、一つのユニットの定員は原則としておおむね10人以下とされ、15人を超えないものとされています。少人数で暮らしの単位をつくるための基準です。
- 老健は在宅復帰と在宅療養支援を担う施設なので、入所者のは幅広く分布しています。重度の人だけが集まる施設ではありません。
以上から、社会福祉法人が開設できるとした選択肢1と、入所定員100人以上の場合の栄養士またはの配置を述べた選択肢3が正しくなります。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。介護老人保健施設を開設できるのは、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人などで、都道府県知事の許可が必要です。社会福祉法人も開設主体に含まれます。なお営利法人(株式会社)は開設できません。
- ✕不適切です。ユニット型の一つのユニットの入居定員は、原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないものとされています。15人を超えることは認められていません。少人数の生活単位でなじみの関係を保つための基準です。
- 〇適切です(正答)。介護老人保健施設では、入所定員が100人以上の場合、栄養士または管理栄養士を1人以上置かなければならないと定められています。食事は療養生活の土台であり、栄養管理の専門職を確保する趣旨です。
- ✕不適切です。処置室は病院に求められる設備で、介護老人保健施設の設備基準には含まれていません。老健に必要とされるのは、療養室、診察室、室、談話室、食堂、浴室、レクリエーション・ルーム、洗面所、便所、サービス・ステーション、調理室などです。
- ✕不適切です。介護老人保健施設は在宅復帰と在宅療養支援を担う施設で、入所者の要介護度は幅広く分布しています。要介護4・5の人が大多数を占めるという実態はありません。重度の人の割合が高いのは(特別養護老人ホーム)です。