問題1
高齢化について正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 3・5
高齢化の姿を、統計の名前と数字で押さえられているかを問う問題です。細かい数字を覚えるというより、「どちらの向きに動いているか」をつかんでおくことが大切です。
ポイントは次の3つです。
- 団塊の世代は1947(昭和22)年から1949(昭和24)年生まれの世代です。2022年から2024年にかけて75歳を迎え、2025年には全員が75歳以上になっています。この時期の医療・介護需要の増大などが、いわゆる2025年問題として論じられてきました。
- 設問が参照する2021(令和3)年国民生活基礎調査では、65歳以上の者のいる世帯で最も多いのは、三世代世帯ではなく夫婦のみの世帯です。三世代同居は長く減り続けており、代わって単独世帯と夫婦のみの世帯が増えています。
- 要介護・要支援の認定率は年齢とともに急に上がります。前期高齢者では数%ですが、85歳以上になると半数を超えます。
したがって、世帯主が65歳以上の世帯数の増加を述べた3と、85歳以上の認定率が50%を超えることを述べた5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。団塊の世代とは1947(昭和22)年から1949(昭和24)年に生まれた世代を指します。この世代は2025(令和7)年中に76〜78歳の誕生日を迎え、全員が75歳以上になっています。85歳ではありません。すべての団塊の世代がになることから、医療と介護の需要が大きく増えると見込まれ、「2025年問題」としてづくりが急がれてきました。
- ✕不適切です。2021(令和3)年国民生活基礎調査で、65歳以上の者のいる世帯のうち最も多いのは夫婦のみの世帯です。三世代世帯の割合は年々下がり続けており、単独世帯と夫婦のみの世帯を合わせると全体の半数を超えます。家族が同居して介護を担う前提が崩れてきていることが、介護の社会化が必要とされた背景の一つです。
- 〇適切です(正答)。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(平成30年推計)では、世帯総数は2023(令和5)年をピークに減っていく一方で、世帯主が65歳以上の世帯数は2040(令和22)年まで増え続けると見込まれています。高齢者が世帯を構える形そのものが増えるため、独居や高齢者のみの世帯への支援が課題になります。
- ✕不適切です。「日本の将来推計人口」(平成29年推計、出生中位・死亡中位)では、65〜74歳人口は2015年の約1,755万人から2045年には約1,643万人へ減少すると見込まれており、倍増ではありません。75歳以上人口も約1,632万人から約2,277万人への増加で、後期高齢者全体が倍増するという説明も正しくありません。
- 〇適切です(正答)。要介護・要支援の認定率は年齢が上がるほど急に高くなります。2019(令和元)年度末で、85歳以上のでは認定を受けている者が半数を超えています。介護の必要は「高齢者一般」に等しく生じるのではなく、後期高齢者、とりわけ85歳以上に集中することを示す数字です。
問題2
地域福祉や地域共生社会について正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 2・3・5
に関わる用語と、市町村や事業者の義務の強さ(しなければならない、努めるものとする)を区別できているかを問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- (第106条の4)は、市町村が手を挙げて行う任意の事業です。すべての市町村に実施が義務づけられているわけではありません。
- 市町村地域福祉計画(社会福祉法第107条)の策定はです。以前は任意でしたが、2017(平成29)年の改正で努力義務に引き上げられました。
- 支援の担い手が「解決が困難な地域生活課題」を見つけたときは、自分で抱え込むのではなく、支援関係機関につなぐことが求められます(社会福祉法第106条の2)。
したがって、2・3・5が正しい記述です。1は義務の強さを、4はつなぐ役割を取り違えた選択肢です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。重層的支援体制整備事業は、社会福祉法第106条の4に基づき、市町村が手を挙げて行うことができる任意の事業です。属性を問わない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体として行うものですが、すべての市町村が実施しなければならないとはされていません。
- 〇適切です(正答)。市町村地域福祉計画の策定は、社会福祉法第107条で「策定するよう努めるものとする」とされた努力義務です。2017(平成29)年の社会福祉法改正で、それまでの任意から努力義務へ引き上げられ、あわせて福祉の各分野に共通する事項を定める上位計画としての位置づけが明確にされました。
- 〇適切です(正答)。地域共生社会は、制度や分野ごとの縦割り、支える側と支えられる側という関係を超えて、地域の住民や多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会と説明されています。選択肢はこの考え方に沿った内容です。
- ✕不適切です。社会福祉法第106条の2は、などを行う者が、自ら解決することが困難な地域生活課題を把握したときは、支援関係機関に対しその旨を伝え、必要な支援につなぐよう努めるものとしています。自分で解決しなければならないのではなく、抱え込まずにつなぐことが求められています。
- 〇適切です(正答)。は、2017(平成29)年の改正で創設され、2018(平成30)年4月から始まった仕組みです。と障害福祉のどちらか一方の指定を受けている事業所が、もう一方の指定も受けやすくなるもので、介護保険法と・児童福祉法の双方に位置づけられています。65歳になっても使い慣れた事業所を使い続けられるようにすることが、創設のねらいの一つでした。
問題3
社会保険について正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 3・5
の全体像を問う問題です。日本の社会保険は、・年金保険・・雇用保険・労働者災害補償保険の5つで構成されます。
ポイントは次の3つです。
- 雇用保険と労災保険はまとめて労働保険と呼ばれますが、どちらも社会保険の一部です。
- 社会保険は強制加入が原則です。要件に当てはまれば、本人の意思にかかわらずになります。
- 仕事が原因の病気やけがは労災保険が受け持ち、それ以外を医療保険が受け持つという役割分担になっています。
したがって、医療保険の保険事故の範囲を述べた3と、財源の構成を述べた5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。日本の社会保険は、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労働者災害補償保険の5つで構成されます。雇用保険は失業したときの給付や育児休業給付などを行う社会保険であり、社会保険に含まれないという記述は誤りです。
- ✕不適切です。介護保険の被保険者は、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者()と、40歳以上65歳未満の医療保険加入者()です。職業による区別はありません。自営業者もなどの医療保険に加入していますから、40歳になれば第2号被保険者になります。
- 〇適切です(正答)。仕事が原因の病気やけが(業務災害)と通勤災害は労働者災害補償保険が受け持ち、医療保険はそれ以外の病気やけが、出産、死亡などを保険事故とします。同じ治療でも、原因が仕事にあるかどうかでどちらの制度から給付されるかが分かれます。
- ✕不適切です。公的年金は強制加入です。日本国内に住む20歳以上60歳未満の者はすべて国民年金の被保険者となり、会社員や公務員はこれに加えて厚生年金保険に加入します。任意加入の仕組みもありますが、それは基本の強制加入を補うためのものであって、原則が任意なのではありません。
- 〇適切です(正答)。社会保険の財源の中心は加入者と事業主が払うですが、それだけで賄われているわけではありません。介護保険では給付費の50%を公費(国・都道府県・市町村)が負担し、さらに利用者が原則1割の自己負担を払います。保険料・公費・の3つで支えられているという見方が大切です。
問題4
介護保険法第 2 条に示されている保険給付の基本的考え方として正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・3・4
第2条は、をどのような考え方で行うかを定めた条文で、繰り返し出題される重要条文です。
第2条が掲げている柱は次の4つです。
- 等の軽減又は悪化の防止に資するよう行う(第2項)。
- 医療との連携に十分配慮して行う(第2項)。
- の心身の状況、置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切なサービスが多様な事業者又は施設から総合的かつ効率的に提供されるよう配慮する(第3項)。
- 可能な限り、居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮する(第4項)。
したがって1・3・4が正しい記述です。2は「配慮せず」としている点で、5は選択の主体をとしている点で、いずれも条文と正反対です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。介護保険法第2条第2項は、保険給付は要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならないと定めています。介護保険が単なる世話の提供ではなく、状態の改善と重度化防止を目指す制度であることを示す部分です。
- ✕不適切です。第2条第3項は、保険給付は被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて行われなければならないと定めています。環境に配慮せずに提供するという記述は、条文と正反対です。同じでも、住まいの状況や家族の状況によって必要な支援は変わるという、制度の土台になる考え方です。
- 〇適切です(正答)。第2条第4項は、保険給付の内容及び水準について、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならないと定めています。居宅重視とを示す条文です。
- 〇適切です(正答)。第2条第2項に「医療との連携に十分配慮して行われなければならない」と定められています。要介護状態の背景には病気があることが多く、主治医との連携や医療系サービスの活用が欠かせないため、給付の基本的な考え方として条文に置かれています。
- ✕不適切です。第2条第3項が定めているのは「被保険者の選択に基づき」であって、介護支援専門員の選択ではありません。介護支援専門員は、本人が選ぶために必要な情報を提供し、意向を引き出して調整する立場であり、本人に代わって選ぶ立場ではないという、利用者本位の考え方を確認する選択肢です。
問題5
介護保険制度における住所地特例の適用があるものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・3・4
とは、施設に入所するために別の市町村へ住所を移した場合でも、移す前の市町村が引き続きになるという例外の仕組みです(第13条)。
ポイントは次の2つです。
- 目的は、施設が多く立地する市町村に給付費の負担が偏らないようにすることです。
- 対象となる住所地特例対象施設は、(、、)、特定施設(や等。ただし地域密着型特定施設を除く)、措置により入所するです。
一方、は、その市町村の住民が利用することを前提に市町村長が指定する仕組みですから、住所地特例の対象になじみません。したがって1・3・4が対象で、地域密着型である2と5は対象外です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。適用があります。介護老人福祉施設は介護保険施設であり、住所地特例対象施設です。入所に伴って施設のある市町村へ住所を移しても、移す前の市町村が引き続き保険者となります。
- ✕不適切です。適用はありません。(入所定員29人以下)は地域密着型サービスであり、原則としてその市町村の住民が利用するものとして市町村長が指定します。住所地特例対象施設には含まれていません。名前が似ている介護老人福祉施設との違いが問われています。
- 〇適切です(正答)。適用があります。有料老人ホームは特定施設として住所地特例対象施設に含まれます。の指定を受けていない有料老人ホームも対象ですが、地域密着型特定施設は対象外です。
- 〇適切です(正答)。適用があります。介護老人保健施設は介護保険施設であり、住所地特例対象施設です。介護医療院も同じく対象です。
- ✕不適切です。適用はありません。()は地域密着型サービスであり、住所地特例対象施設ではありません。地域密着型サービスは原則としてその市町村のが利用するものとされているため、そもそも住所地特例が想定される場面になりません。
問題6
65 歳以上の者であって,介護保険の被保険者とならないものはどれか。 2つ選べ。
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正答 2・4
適用除外の問題です。65歳以上で市町村に住所があれば原則としてになりますが、他の制度で介護に相当する手厚い支援を受けている場合には、二重になることを避けるためとしない扱いがあります(施行法第11条など)。
適用除外となる主な施設は次のとおりです。
- 障害者支援施設(生活介護と施設入所支援を受けている者)
- 児童福祉法に規定する医療型障害児入所施設、児童福祉法に基づき厚生労働大臣が指定する医療機関の対象病床、療養介護を行う指定事業者である病院
- に規定する
- 国立及び国立以外のハンセン病療養所など、施設の側で介護に相当する支援が提供される施設
したがって、医療型障害児入所施設の入所者(2)と救護施設の入所者(4)が被保険者になりません。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。被保険者となります。は、環境上の理由と経済的理由により居宅での生活が困難な高齢者が市町村の措置で入所する施設で、介護そのものを提供する施設ではありません。ではなく、入所者は第1号被保険者となります。の指定を受けていれば、そこで介護保険のサービスを受けることもできます。
- 〇適切です(正答)。被保険者となりません。児童福祉法に規定する医療型障害児入所施設は、介護保険の適用除外施設とされています。施設の側で医療と介護に相当する支援が一体的に提供されるため、介護保険の被保険者としない扱いになっています。年齢が65歳以上であっても、この扱いは変わりません。
- ✕不適切です。被保険者となります。更生施設は、身体上又は精神上の理由により養護及び生活指導を必要とするを入所させる生活保護法上の保護施設ですが、適用除外施設には含まれていません。同じ生活保護法の施設でも救護施設とは扱いが異なる点が、この問題の分かれ目です。
- 〇適切です(正答)。被保険者となりません。生活保護法に規定する救護施設は、身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させ、を行う施設です。施設の中で介護に相当する支援が行われるため、介護保険の適用除外施設とされています。
- ✕不適切です。被保険者となります。母子生活支援施設は、配偶者のない女子とその子を入所させて保護し、自立の促進のための生活支援を行う児童福祉法上の施設です。介護を提供する施設ではなく、適用除外施設にも含まれていません。
問題7
介護保険と他制度との関係について正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・2・3
制度が重なったときにどちらが先に給付するかという、給付調整の問題です。
押さえる順番は次のとおりです。
- 労災保険は、業務や通勤が原因である以上、その原因をつくった側の制度が責任を持つという考え方から、に優先します。
- 介護保険とでは、を受けている人のは原則として介護保険が優先します。ただし末期の悪性腫瘍や急性増悪などの場合は医療保険から給付されます。
- を受けている人も、65歳以上であれば介護保険のとなり、給付を受けられます。足りない部分をが補います。
- と介護保険では介護保険が優先しますが、それは要介護認定を受けたうえでの話であり、認定そのものが妨げられるわけではありません。
したがって1・2・3が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。労働者災害補償保険法による療養給付(通勤災害)や療養補償給付(業務災害)は、介護保険の給付に優先します。仕事や通勤が原因で生じた傷病については、その原因をつくった側の制度が責任を負うという考え方によるものです。
- 〇適切です(正答)。労災保険の介護補償給付も介護保険に優先します。介護保険の給付に相当する給付が労災保険から受けられる範囲では、その分について介護保険からは給付されません。二重に給付されない仕組みになっています。
- 〇適切です(正答)。要介護認定を受けている人の訪問看護は、原則として介護保険から給付され、医療保険の訪問看護に優先します。ただし末期の悪性腫瘍、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合や、急性増悪により主治医からが出された場合は、医療保険からの給付になります。「原則として」という言葉が付いているのはこのためです。
- ✕不適切です。生活保護を受けている人でも、65歳以上で市町村に住所があり、等の適用除外に該当しなければ介護保険のとなり、を受けられます。自己負担分は生活保護の介護扶助から給付されます。なお、40歳以上65歳未満で医療保険に加入していないはにならないため、による要介護・などの要件を満たす場合に、他法による給付を優先したうえで介護扶助が行われます。
- ✕不適切です。の給付を受けていることは、要介護認定の申請や認定を妨げるものではありません。介護保険と障害福祉サービスで内容が重なる部分については介護保険が優先しますが、障害福祉固有のサービスや、介護保険では足りない部分は引き続き障害福祉から利用できます。まず要介護認定を受け、そのうえで調整するという順序です。
問題8
介護保険法において現物給付化されている保険給付として正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 1・2
の給付は、法律の建前ではいったん利用者が全額を払い、あとから9割等が戻るですが、実際には多くが化()されています。事業者がに直接請求し、利用者は自己負担分だけを払う形です。
現物給付化されていないものの代表は次の3つです。
- と(いったん全額を払い、あとから申請して払い戻しを受ける)
- 、(自己負担が上限を超えた分をあとから払い戻す)
一方、サービス計画費(の費用)はがなく全額が現物給付、(補足給付)も負担限度額認定証を示せば施設に直接支払われる現物給付です。したがって1・2が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。居宅介護サービス計画費は、(ケアプランの作成など)に係る費用で、現物給付化されています。利用者の自己負担はなく、事業者が市町村へ直接請求します。を利用者が費用を理由にためらわないようにするための仕組みです。
- 〇適切です(正答)。特定入所者介護サービス費は、施設に入所する低所得者の食費と居住費の負担を軽くする補足給付です。市町村が発行する介護保険負担限度額認定証を施設に示すと、利用者は負担限度額までを払えばよく、差額は施設へ直接支払われます。現物給付化されている給付です。
- ✕不適切です。居宅介護福祉用具購入費は償還払いです。利用者はいったん販売事業者へ全額を支払い、領収証を添えて市町村へ申請し、あとから支給を受けます。ただし市町村が受領委任払いを認めている場合は、自己負担分だけを払う取扱いができます。
- ✕不適切です。高額介護サービス費は、1か月の自己負担額の合計が上限を超えたときに、超えた分をあとから払い戻す給付です。1か月分の負担が確定して初めて計算できるため、現物給付にはなじみません。
- ✕不適切です。高額医療合算介護サービス費は、と介護保険の1年間の自己負担を合算し、上限を超えた分を払い戻す給付です。年間で計算するものであり、これも償還払いです。
問題9
介護保険法に定める指定居宅サービス事業者の責務として正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 2・3・5
第73条以下に定められた、事業者の責務を問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- を作成するのは事業者のであって、居宅サービス事業者ではありません。居宅サービス事業者が作るのは、居宅サービス計画に沿った個別サービス計画です。
- 第73条は、の人格を尊重するとともに、この法律等を遵守し、要介護者のため忠実にその職務を遂行しなければならないと定めています。
- 第115条の32は、事業者に業務管理体制の整備を義務づけています。2008(平成20)年の改正で、不正事案の再発防止のために設けられた規定です。
したがって2・3・5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。居宅サービス計画()を作成するのは、居宅介護支援事業者の介護支援専門員です。指定居宅サービス事業者が作成するのは、居宅サービス計画に沿った計画や計画などの個別サービス計画であり、その作成が医師の診断書に基づくとされているわけでもありません。
- 〇適切です(正答)。介護保険法第73条第1項は、指定居宅サービス事業者は要介護者の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、要介護者のため忠実にその職務を遂行しなければならないと定めています。
- 〇適切です(正答)。介護保険法第73条第2項は、指定居宅サービス事業者は、自らその提供する指定居宅サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、常に指定居宅サービスを受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならないと定めています。であることも含めて条文どおりです。
- ✕不適切です。「保護者を支援する」という言い方は児童福祉の考え方であり、介護保険法にこのような責務は定められていません。介護保険の利用者は、支援を受ける対象であると同時に、自ら選択する主体として位置づけられており、保護者が想定される制度ではありません。
- 〇適切です(正答)。介護保険法第115条の32は、指定居宅サービス事業者を含む介護サービス事業者に対し、法令遵守に係る義務の履行が確保されるよう、業務管理体制を整備しなければならないと定めています。事業所の数に応じて、法令遵守責任者の選任、法令遵守規程の整備、監査の実施などが求められ、届出先も事業所の広がりに応じて分かれます。
問題10
介護保険法に規定する介護保険等関連情報の調査及び分析について正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・4・5
第118条の2に定める、介護保険等関連情報(いわゆる介護保険データベース、地域包括ケア「見える化」システムの土台となる情報)についての問題です。
ポイントは次の3つです。
- 厚生労働大臣は、や等に要する費用の状況などについて調査・分析を行い、その結果を公表するものとされています。
- 市町村と都道府県は、それぞれの計画を作成するに当たって、この情報を分析したうえで結果を勘案するよう努めるものとされています。市町村だけでなく都道府県にも同じがあります。
- 厚生労働大臣は、市町村や事業者などに対し、必要な情報を提供するよう求めることができます。情報を集める側が国、提供する側が市町村や事業者という向きです。
したがって1・4・5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。介護保険法第118条の2第3項は、市町村は介護保険等関連情報等を分析した上で、その分析の結果を勘案して、市町村を作成するよう努めるものとすると定めています。データに基づいて計画を立てるという考え方(エビデンスに基づく政策形成)を制度に組み込んだ規定です。
- ✕不適切です。都道府県についても、同じ第118条の2第4項で、介護保険等関連情報等を分析した上で、その分析の結果を勘案してを作成するよう努めるものとすると定められています。分析する必要はないという記述は誤りです。
- ✕不適切です。情報の流れが逆です。介護保険等関連情報の提供を求めることができるのは厚生労働大臣であり、市町村や事業者が提供する側です。都道府県が事業者に対し、地域別・年齢別などの費用の状況を提供しなければならないという規定は置かれていません。
- 〇適切です(正答)。介護保険法第118条の2第1項は、厚生労働大臣は、の要介護認定及びにおける調査に関する状況、介護給付等に要する費用の額に関する地域別、年齢別又は要介護認定及び要支援認定別の状況などについて調査及び分析を行い、その結果を公表するものとすると定めています。
- 〇適切です(正答)。介護保険法第118条の2第2項により、厚生労働大臣は、市町村、都道府県、介護サービス事業者、特定を行う者などに対し、必要な情報を提供するよう求めることができます。総合事業を行う者も、情報を求められる相手に含まれています。
問題11
地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する基金(地域医療介護総合確保基金)について正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・3・4
は、2014(平成26)年の医療介護総合確保推進法により、都道府県に設けられた基金です。
ポイントは次の3つです。
- 設けるのは都道府県です。原則として国が3分の2、都道府県が3分の1を負担します。ただし、2021(令和3)年度から基金に位置づけられたは全額国費です。
- 支弁の対象は、地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設・設備の整備、居宅等における医療の提供、公的介護施設等の整備、医療従事者の確保、介護従事者の確保です。
- 国が負担する費用の財源は消費税の増収分です。社会保障と税の一体改革で、消費税率引上げによる増収分を社会保障の充実に充てることとされ、この基金もその一つとして作られました。
したがって1・3・4が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に基づき、都道府県は、総合確保方針や都道府県計画に定める目標を達成するために必要な事業に要する費用を支弁するため、基金を設けることができるとされています。設置主体は都道府県です。
- ✕不適切です。公的介護施設等の整備に関する事業は、支弁の対象に含まれています。や老人保健施設、の拠点などの整備がこれに当たり、介護分野でこの基金が使われる代表的な用途です。
- 〇適切です(正答)。医療従事者の確保に関する事業は支弁の対象です。看護職員の確保や勤務環境の改善、医師の地域偏在への対応などが行われています。
- 〇適切です(正答)。介護従事者の確保に関する事業も支弁の対象です。人材の参入促進、資質の向上、労働環境や処遇の改善といった取組がこの基金で行われます。この基金が医療と介護の両方を対象としていることが名称にも表れています。
- ✕不適切です。国が負担する費用の財源は消費税の増収分です。社会保障と税の一体改革において、消費税率引上げによる増収分を社会保障の充実・安定化に充てることとされ、この基金もその財源で設けられました。所得税及び法人税ではありません。
問題12
社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務として正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 1・4
のが、どのような経路で市町村に届くのかを問う問題です。
お金の流れは次のとおりです。
- 第2号被保険者(40歳以上65歳未満)の料は、加入しているの保険料と一緒にが集めます。
- が、各医療保険者から・支援納付金として集めます。
- 支払基金が、市町村に対して介護給付費交付金と地域支援事業支援交付金として交付します。
交付先は都道府県ではなく市町村です。また、の保険料の(年金からの天引き)はと市町村が行うもので、支払基金の業務ではありません。苦情対応はの業務です。したがって1・4が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。社会保険診療報酬支払基金は、各医療保険者から介護給付費・地域支援事業支援納付金を徴収します。第2号被保険者の保険料は医療保険者が医療保険料と一体で集め、それを支払基金がまとめて受け取るという流れです。
- ✕不適切です。第1号被保険者の保険料の特別徴収は、年金保険者が年金から天引きして市町村に納入する仕組みで、支払基金は関わりません。支払基金が扱うのは第2号被保険者に係る資金です。
- ✕不適切です。介護給付費交付金の交付先は市町村です。は市町村ですから、給付に充てる資金も市町村に渡されます。都道府県に交付するという記述は誤りです。
- 〇適切です(正答)。支払基金は、市町村に対して地域支援事業支援交付金を交付します。第2号被保険者の保険料は、だけでなく地域支援事業のうちの財源にも充てられるため、この交付金があります。
- ✕不適切です。介護保険サービスに関する苦情の受付と、事業者に対する調査・指導助言は、国民健康保険団体連合会(国保連)の業務です。国保連はの審査・支払いも行っており、支払基金と役割が混同されやすいところです。
問題13
地域支援事業の包括的支援事業として正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 3・5
は、、、の3つで構成されます。どれがどこに入るかを整理できているかを問う問題です。
包括的支援事業は次のとおりです。
- 第1号事業(のうち、居宅要支援に係るものを除く)
- 業務
- 業務
- 包括的・継続的支援業務
- 推進事業
は任意事業、は総合事業、保健福祉事業はそもそも地域支援事業ではなく市町村が独自に行う事業(第115条の49)です。したがって3・5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。家族介護支援事業は任意事業に含まれます。介護方法の指導や、家族の負担軽減のための取組などを行うもので、市町村の判断で実施します。包括的支援事業ではありません。
- ✕不適切です。一般介護予防事業は、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の一部です。総合事業は、(訪問型・通所型サービスなど)と一般介護予防事業からなり、包括的支援事業とは別の区分です。
- 〇適切です(正答)。在宅医療・介護連携推進事業は包括的支援事業の一つです。2014(平成26)年の改正で位置づけられ、医療と介護の関係者の情報共有の支援、相談窓口の設置、研修などを通じて、退院支援やまでを地域で支える体制づくりを行います。
- ✕不適切です。保健福祉事業は、介護保険法第115条の49に基づき市町村が独自に行うことができる事業で、地域支援事業とは別に位置づけられています。要介護被保険者を介護する者への支援や、被保険者が利用する施設の運営などが挙げられます。
- 〇適切です(正答)。生活支援体制整備事業は包括的支援事業の一つです。(地域支え合い推進員)の配置と協議体の設置を通じて、地域の助け合いやな支援を掘り起こし、つくり出していく事業です。
問題14
地域ケア会議の機能として正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・2・3
は、第115条の48に位置づけられた会議で、個別の事例の検討から地域の課題を見つけ、政策につなげていく仕組みです。
地域ケア会議には次の5つの機能があるとされています。
- 個別課題の解決
- ネットワークの構築
- 地域課題の発見
- 地域づくり・資源開発
- 政策の形成
一つの事例をていねいに検討することから始めて、同じ困りごとが地域に共通していると気づき、必要な資源をつくり、最終的には市町村などの政策に反映させていく、という流れです。したがって1・2・3が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。個別課題の解決は地域ケア会議の5つの機能の一つで、出発点になるものです。支援が難しい事例について、多職種が集まって検討し、本人の自立に向けた支援内容を組み立て直します。
- 〇適切です(正答)。地域づくり・資源開発も5つの機能の一つです。個別の事例の検討から見えてきた地域の不足を踏まえ、必要なをつくり出していきます。
- 〇適切です(正答)。政策の形成も5つの機能の一つです。地域課題として整理されたものを、市町村介護保険事業計画に反映させるなどして、施策として実現していきます。個別事例から政策へとつなげる道筋が、この会議の特徴です。
- ✕不適切です。の事業計画書や運営を評価するのは、地域包括支援センター運営協議会の役割です。地域ケア会議は個別事例の検討と地域課題の把握を行う場であり、センターの業務評価を行う場ではありません。
- ✕不適切です。はが実施する事業で、生活支援員の選任もその中で行われます。地域ケア会議が指名するものではありません。
問題15
介護サービス情報の公表制度において,介護サービスの提供開始時に事業者が都道府県知事へ報告すべき情報として規定されているものはどれか。 3つ選べ。
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正答 2・4・5
(第115条の35)で報告する情報は、基本情報と運営情報に分かれます。この問題が問うているのは、提供開始時に報告する基本情報のほうです。
- 基本情報は、事業所の名称や所在地、職員の体制、提供するサービスの内容、利用料金など、事実として書き出せる情報です。従業者に関しては、職種別の人数や勤務形態、労働時間、教育訓練の実施状況、健康診断の実施状況などが含まれます。
- 運営情報は、利用者ののための取組や、の保護、質の確保のための取組など、事業所の取組の状況を示す情報で、原則として年1回報告します。
したがって、基本情報に含まれる2・4・5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。提供開始時に報告する基本情報の従業者項目には、職種別の人数、勤務形態・労働時間、経験年数、健康診断や教育訓練の実施状況などが含まれます。「従業者の個人情報保護等のために講じる措置」は、この基本情報の項目には含まれません。
- 〇適切です(正答)。従業者の教育訓練の実施状況は基本情報に含まれます。研修の計画や実施回数など、事実として書き出せる事項であるため、提供開始時に報告する情報とされています。
- ✕不適切です。基本情報で求められるのは職種別の従業者の数であって、年代別の従業者の数ではありません。、看護職員、介護職員といった職種ごとに、常勤・非常勤の別を含めて人数を報告します。
- 〇適切です(正答)。従業者の労働時間は基本情報に含まれます。勤務形態や労働時間は、その事業所の人員体制を利用者が読み取るための基礎的な事実として報告が求められています。
- 〇適切です(正答)。従業者の健康診断の実施状況も基本情報に含まれます。従業者の健康管理は感染症対策やサービスの安定した提供にも関わるため、事実として報告する事項に位置づけられています。
問題16
介護保険審査会への審査請求が認められるものとして正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 4・5
は各都道府県に置かれ、市町村が行った処分に不服があるからのを受け付けます(第183条)。
審査請求できるのは、次の2つの類型です。
- に関する処分(、の交付の請求に関する処分など)
- その他の徴収金に関する処分(督促や滞納処分など。ただし拠出金、・支援納付金、その滞納処分は除かれます)
事業者の指定や取消し、の登録に関する処分は、都道府県知事が行うものであり、介護保険審査会の対象ではありません。これらに不服があるときは、行政不服審査法に基づく審査請求や取消訴訟によることになります。したがって4・5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。介護支援専門員の登録や登録の消除に関する処分は都道府県知事が行うもので、介護保険審査会への審査請求の対象ではありません。介護保険審査会が扱うのは、被保険者に対する市町村の処分です。
- ✕不適切です。事業者の指定やその取消しは都道府県知事が行う処分で、相手方は事業者です。被保険者に対する処分ではないため、介護保険審査会への審査請求の対象になりません。
- ✕不適切です。財政安定化基金拠出金への拠出額に関する処分は、市町村に対するものであり、被保険者に対する保険料等の処分ではありません。介護保険法第183条第1項は、この拠出金に関する処分を審査請求の対象から明文で除いています。
- 〇適切です(正答)。要介護認定に関する処分は保険給付に関する処分であり、介護保険審査会への審査請求の対象です。認定されなかった、あるいは思っていたより軽い区分だった場合の不服申立ての道として、代表的なものです。
- 〇適切です(正答)。被保険者証の交付の請求に関する処分も保険給付に関する処分として、介護保険法第183条第1項に明記されています。資格に関わる処分として審査請求の対象になります。
問題17
介護保険法における消滅時効について正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 2・4・5
第200条などに定める消滅時効の問題です。数字と、時効が更新される場面を押さえます。
ポイントは次の3つです。
- を受ける権利、等を徴収する権利は、いずれも2年で時効消滅します。事業者がへ請求する権利(によるの請求権)も、の場合の利用者の請求権も同じ2年です。
- 保険料の督促は、時効の更新(以前の中断)の効力を生じます。督促によって時効が振り出しに戻るということです。
- へのは、時効の更新に関しては裁判上の請求とみなされます。
なお、保険料の徴収権が時効で消滅した場合は、その期間に応じて給付額の減額などの措置がとられます。したがって2・4・5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。償還払い方式による介護給付費の請求権も、時効は2年です。介護保険法第200条第1項は、保険給付を受ける権利は2年を経過したときに時効によって消滅すると定めています。10年ではありません。
- 〇適切です(正答)。法定代理受領方式による介護給付費の請求権も、時効は2年です。事業者がを通じて保険者に請求する権利であり、償還払いの場合と同じ扱いになります。
- ✕不適切です。滞納した保険料の徴収権が時効によって消滅した場合、時効消滅した期間に応じて、給付額の減額(自己負担割合の引上げ)や等の支給停止といった措置がとられます。払わずに時効を待てば不利益がないということにはならない仕組みです。
- 〇適切です(正答)。介護保険法第200条第2項は、保険料等の督促は時効の更新の効力を生ずると定めています。督促状を出すことで、それまで進行していた時効期間がリセットされます。
- 〇適切です(正答)。介護保険法第183条第2項は、介護保険審査会に対する審査請求は、時効の更新に関しては裁判上の請求とみなすと定めています。不服を申し立てている間に時効で権利が消えてしまうことを防ぐための規定です。
問題18
要介護認定の申請について正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 2・5
の申請の手続を問う問題です。誰に申請するのか、誰が代行できるのか、いつから申請できるのかを押さえます。
ポイントは次の3つです。
- 申請先は市町村です。は、市町村に置かれて審査・判定を行う機関であり、申請を受け付ける窓口ではありません。
- 申請の代行ができるのは、、事業者、、などです。新規・更新・変更のいずれについても代行できます。
- の申請は、有効期間満了日の60日前から行うことができます。
また、要介護認定に医師の診断書の添付は求められません。市町村が主治医に意見を求める()仕組みになっています。したがって2・5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。要介護認定の申請先は市町村です。介護認定審査会は市町村に設置され、審査・判定を行う合議体であって、申請を受け付ける機関ではありません。は申請書にを添えて市町村へ申請します。
- 〇適切です(正答)。地域包括支援センターは、要介護認定の申請に関する手続を代行することができます。新規申請でも更新申請でも代行でき、本人が窓口に行けない場合の支えになります。指定居宅介護支援事業者や介護保険施設なども同様に代行できます。
- ✕不適切です。介護保険施設が代行できるのは更新認定の申請に限られません。新規認定やの申請についても代行することができます。「限って」という限定が誤りです。
- ✕不適切です。要介護認定の申請に医師の診断書を添付する必要はありません。市町村が申請書に記載された主治医に対して主治医意見書を求める仕組みになっており、これは区分変更の申請でも同じです。診断書の費用を利用者に負担させない仕組みでもあります。
- 〇適切です(正答)。更新認定の申請は、原則として有効期間満了の日の60日前から満了の日までの間に行うことができます。期間が切れて給付が受けられなくなることを防ぐための余裕として設けられています。
問題19
要介護認定について正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 1・2
の手続のうち、と判定に関する問題です。
ポイントは次の3つです。
- 第27条第2項は、市町村は職員に当該申請に係るに面接させ、その心身の状況等について調査をさせるものとすると定めています。面接が法律上の要件です。
- 申請者が他の市町村の区域内に居住している場合、その市町村に調査を嘱託することができます。
- はコンピュータによる判定で、認定調査票のの結果との一部の項目を用いて行われます。は、でが読む材料です。
また、新規認定の調査は原則として市町村が行いますが、には委託できます。審査・判定の基準は全国一律で、厚生労働大臣が定めます。したがって1・2が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。介護保険法第27条第2項は、市町村は認定調査に当たって職員に被保険者に面接させ、心身の状況、置かれている環境等について調査をさせるものとすると定めています。書類だけで判断せず、必ず会って確かめることが法律に書かれています。
- 〇適切です(正答)。申請者が他の市町村の区域内に居住している場合には、その市町村に対して認定調査を嘱託することができます。入院や入所で遠方にいるときでも認定が進むようにするための仕組みです。
- ✕不適切です。新規認定の調査は、指定市町村事務受託法人に委託することができます。市町村の職員が行うのが原則ですが、指定を受けた法人であれば新規認定の調査も担えます。なお、やの調査は、事業者やなどにも委託できます。
- ✕不適切です。一次判定はコンピュータによる判定であり、認定調査票の基本調査の結果と主治医意見書の一部の項目に基づいて行われます。特記事項は文章で書かれた情報であり、コンピュータでは処理できません。特記事項と主治医意見書を読み込んで一次判定を検証するのは、二次判定を行う介護認定審査会の役割です。
- ✕不適切です。要介護認定等基準時間の算定など、審査及び判定の基準は厚生労働大臣が定めます。どこの市町村で申請しても同じ基準で判定されるようにするためであり、市町村が独自に基準を定めることはできません。
問題20
指定居宅介護支援について正しいものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・2・3
等の事業の人員及び運営に関する基準に定められた、基本的な取扱方針や運営の決まりを問う問題です。
ポイントは次の3つです。
- には、のサービスだけでなく、地域の住民による自発的な活動によるサービス()も位置づけるよう努めることとされています。
- 事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者の設置や研修の実施など必要な体制の整備を行うこととされています。
- 指定居宅介護支援は、特定の事業者に偏らないように行わなければなりません。
一方、連絡調整や連携の相手は介護保険の事業者に限られず、保健医療サービスや福祉サービス、障害福祉の相談支援事業者などにも広がります。したがって1・2・3が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。基準は、は居宅サービス計画の作成に当たって、地域における住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならないとしています。近隣の見守りやボランティア、といったインフォーマルな支えも、計画の中で正面から扱うという考え方です。
- 〇適切です(正答)。事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の発生又はその再発を防止するため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し研修を実施する等の措置を講じなければならないとされています。虐待の防止のための委員会の開催、指針の整備、研修、担当者の設置が求められます。
- 〇適切です(正答)。指定居宅介護支援の基本取扱方針として、公正中立であることが求められます。特定の事業者に偏ってサービスを位置づけることのないよう、利用者に複数の事業所を紹介するよう求めることができる旨を説明することなども定められています。
- ✕不適切です。介護支援専門員が連絡調整を行う相手は、指定居宅サービス事業者に限られません。主治医や医療機関、、市町村、インフォーマルな支援の担い手など、利用者の生活に関わる幅広い関係者が対象になります。
- ✕不適切です。基準は、事業者が指定特定相談支援事業者等との連携に努めなければならないとしています。を利用してきた人が65歳を迎えて介護保険に移るときなど、双方の相談支援が引き継がれることが必要になるためです。含まれないという記述は誤りです。
その後の制度の動き2024(令和6)年4月1日から、指定居宅介護支援事業者も市町村長の指定を受けて(の)を行えるようになりました(全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律・令和5年法律第31号)。それまで介護予防支援の指定を受けられるのは地域包括支援センターだけで、居宅介護支援事業者は委託を受ける形にとどまっていました。指定居宅介護支援そのものの運営の決まりを問うこの問題の正答は変わりません。
問題21
居宅サービス計画の作成について適切なものはどれか。 3つ選べ。
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正答 2・3・4
書の様式と、その書き方を問う問題です。標準様式と記載要領に沿って考えます。
ポイントは次の3つです。
- 第1表には、利用者及び家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針などを記載します。総合的な援助の方針は、利用者・家族を含むケアチームで確認、検討したうえで書きます。
- 第2表には、生活全般の解決すべき課題()ごとに、と、援助内容を記載します。長期目標は課題に対応して設定します。
- 第3表(週間サービス計画表)には、サービスの予定だけでなく、主な日常生活上の活動も書き込みます。生活全体の流れの中でサービスがどう位置づくかを見えるようにするためです。
したがって2・3・4が適切です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。(アセスメント)の結果は、居宅サービス計画書に反映させます。第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」や、第2表の「生活全般の解決すべき課題」として記載され、何を根拠にこの計画になったのかが読み取れるようにします。記載しないという扱いはありません。
- 〇適切です(正答)。総合的な援助の方針は第1表に記載します。が一人で決めるのではなく、利用者及び家族を含むケアチームが確認、検討したうえで、どのような方向で支援していくのかを共有する欄です。
- 〇適切です(正答)。長期目標は、第2表の生活全般の解決すべき課題(ニーズ)一つひとつに対応して設定します。課題と目標が対応していないと、何のためのサービスなのかが分からなくなり、評価もできなくなります。
- 〇適切です(正答)。第3表の週間サービス計画表には、提供されるサービスに加えて、主な日常生活上の活動も記載します。起床や食事、外出、趣味の時間などを書き込むことで、一週間の暮らしの中でサービスがどう組み込まれるかが見えるようになります。
- ✕不適切です。に出席できなかった担当者に対して照会を行った場合は、その照会の内容と回答を第4表(サービス担当者会議の要点)に記載します。会議に出られなかった職種の意見も計画に反映させたことを残すためであり、記載しなくてよいという扱いにはなりません。
その後の制度の動きサービス担当者会議でテレビ電話装置等を活用できる旨は、2021(令和3)年4月の改正で明記されました。利用者又は家族が参加する場合は、その人の同意が必要です。2024(令和6)年4月に追加されたのは、所定の要件を満たす場合に居宅訪問とテレビ電話を組み合わせてを行う取扱いです。モニタリングでは本人の文書同意や関係者の合意などに加え、少なくとも2月に1回は居宅を訪問します。計画書や会議の要点を記載する必要は変わらず、この問題の正答も変わりません。
問題22
指定介護老人福祉施設の施設サービス計画について正しいものはどれか。 2つ選べ。
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正答 2・4
の作成過程を、と比べながら整理する問題です。
ポイントは次の3つです。
- 施設のは「定期的に」入所者に面接し、記録することとされています。のように「少なくとも1月に1回」と回数が定められているわけではありません。
- は、入所者及びその家族に面接して行わなければなりません。
- 作成するのは、施設に配置された計画担当です。
また、計画を交付する相手は入所者です。地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて位置づけるよう努める点は、居宅サービス計画と同じです。したがって2・4が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。施設サービス計画のモニタリングは、定期的に入所者に面接し、定期的に記録することとされていますが、「少なくとも月に1回」という回数の定めはありません。月1回以上のモニタリングが基準で定められているのは居宅介護支援のほうで、施設と混同しやすいところです。
- 〇適切です(正答)。計画担当介護支援専門員は、解決すべき課題の把握(アセスメント)に当たって、入所者及びその家族に面接して行わなければならないとされています。本人の状態だけでなく、これまでの暮らしや家族の思いを聞き取ることが、施設での生活を組み立てる土台になります。
- ✕不適切です。施設サービス計画は入所者に交付します。家族に渡せばよいというものではありません。計画の内容について入所者本人に説明し、文書で同意を得たうえで交付するという手順は、居宅サービス計画と同じ考え方です。
- 〇適切です(正答)。施設サービス計画についても、地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて位置づけるよう努めなければならないとされています。施設に入っても地域とのつながりを保つという考え方が、基準に書き込まれています。
- ✕不適切です。施設サービス計画を作成するのは、施設に配置された計画担当介護支援専門員です。介護支援専門員以外の者が作成することはできません。他の職種の意見を聞きながら原案をまとめますが、作成の責任者は計画担当介護支援専門員です。
問題23
Aさん(72 歳,男性,要介護 2,認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱa)は,妻(63 歳)と二人暮らしで,小規模多機能型居宅介護事業所に登録し,週 2 回の通いサービスと週 3 回の訪問サービスを利用している。Aさんは,若い頃より散歩が趣味であったが,最近,散歩に出かけると自宅に戻れなくなることが増え,警察に保護されることがあった。妻は日中就労(週 5 日)のため,見守ることができずに困っている。この時点における計画作成担当者である介護支援専門員の対応として,より適切なものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・3・5
のあるAさんが散歩に出て自宅に戻れなくなり、日中就労の妻が見守れずに困っている場面での、計画作成担当者の対応を問う事例問題です。
ポイントは次の3つです。
- 散歩はAさんが若い頃から続けてきた趣味です。外出そのものを止める方向ではなく、安全に続けられる方法を探るのがの考え方です。
- まず行うべきはです。なぜ戻れなくなったのか、体調の変化なのか、道順や周辺の環境の問題なのかを確かめないと、対策が的外れになります。
- 家族だけで見守れない以上、地域の目を借りることになりますが、その際も本人と家族の同意との扱いに十分な配慮が必要です。
したがって、徘徊感知機器の情報提供、アセスメント、への相談を挙げた1・3・5が、より適切な対応です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。徘徊感知機器はのの対象種目であり、選択肢を知ってもらうこと自体が支援になります。導入するかどうかを決めるのはAさんと妻ですから、は情報を集めて提供し、判断を助ける立場に立ちます。
- ✕不適切です。本人や家族の同意を得ずに写真と電話番号を店舗に掲示することは、個人情報の重大な取扱いであり、本人の尊厳を傷つけます。地域の見守りを求める場合でも、何をどこまで伝えるかについて本人と家族の同意を得ることが前提です。
- 〇適切です(正答)。まず必要なのは、自宅に戻れなくなった理由を確かめることです。認知症の進行なのか、体調や薬の影響なのか、道路工事などで見慣れた風景が変わったのか、原因によって取るべき手立ては変わります。アセスメントを飛ばして対策を決めることはできません。
- ✕不適切です。散歩はAさんが長く続けてきた趣味であり、生活の張りにもなっています。外出を禁じることは行動の制限であり、閉じこもりや身体機能の低下を招きます。危険を理由に暮らしを狭めるのではなく、安全に外出を続けられる方法を一緒に考える方向で支援します。
- 〇適切です(正答)。日中に妻が就労しており家族だけでは見守れない状況ですから、地域の力を借りることが現実的です。民生委員は地域の実情に詳しく、見守りのつなぎ役になります。この場合も、Aさんと妻の同意を得たうえで進めることが前提です。
問題24
Aさん(80 歳,女性)は,最近,閉じこもりがちになり,体力が低下してきた。同居する娘は心配になって市役所に相談し,要支援 1 の認定を受けた。地域包括支援センターから委託を受けて,介護支援専門員が訪問したところ,娘は「母にはいつまでも元気でいてもらいたいが特に希望するサービスはない」と言う。介護支援専門員の対応として,より適切なものはどれか。 2つ選べ。
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正答 4・5
閉じこもりがちで体力が落ちてきた要支援1のAさんについて、娘から「特に希望するサービスはない」と言われた場面の事例問題です。
ポイントは次の3つです。
- 希望するサービスがないことと、支援が必要ないことは別です。閉じこもりと体力の低下は、放っておけばに進みかねない状態であり、の対象そのものです。
- 要支援の人への支援では、心身の機能だけでなく、社会参加や人とのつながりの状況を把握することが重要です。閉じこもりの背景に、役割の喪失や対人関係の変化があることは少なくありません。
- は、個別の事例について多職種で検討し、に向けた助言を得る場としても使われます。
また、娘の意向だけで判断せず、A さん本人の意向を確かめることも欠かせません。したがって4・5が、より適切な対応です。
選択肢ごとの解説
- ✕不適切です。希望するサービスがないことは、支援が必要ないことを意味しません。閉じこもりと体力の低下がある状態を放置すれば、要介護状態へ進むおそれがあります。要支援の認定を受けている以上、としての改善に向けた支援を検討する必要があります。また、娘の言葉だけで判断せず、Aさん本人の思いを確かめることが前提です。
- ✕不適切です。はを対象とするであり、要支援1のAさんは対象ではありません。必要に応じての訪問型サービスを検討します。また、は、本人ができない家事を代わりに行うサービスです。閉じこもりと体力の低下という課題に対して、家事を肩代わりすれば、かえって動く機会を減らし、生活機能の低下を進めるおそれがあります。の前にサービスを当てはめている点でも適切ではありません。
- ✕不適切です。()は、のある要介護者が共同生活を送るです。要支援1のAさんは、要支援2でなければ利用できない介護予防認知症対応型共同生活介護の対象にも当たりません。事例の情報に認知症の診断もなく、紹介する場面ではありません。
- 〇適切です(正答)。閉じこもりの背景を知るには、Aさんがこれまでどのように人と関わり、地域とつながってきたのかを把握することが欠かせません。社会参加の状況や対人関係をアセスメントすることで、や役割の回復といった、本人に合った支援の糸口が見えてきます。
- 〇適切です(正答)。地域ケア会議は、支援の方向に迷う事例について多職種で検討し、自立支援に向けた助言を得る場です。生活機能の改善に必要な支援を検討することは、介護予防の考え方にかない、必要なが地域にない場合の課題提起にもつながります。
問題25
特別養護老人ホームに入所しているAさん(80 歳,女性,要介護 4)は,がんの末期で余命 1 か月程度と医師から告げられている。Aさんは自宅で最期を迎えたいと希望している。自宅で一人暮らしをしている夫は,Aさんの希望に沿いたいと考えているが,自宅での介護や看取りに不安を抱いている。Aさんの居宅介護支援の依頼を受けた介護支援専門員がAさんや夫との面談を進めるに当たっての対応として,より適切なものはどれか。 3つ選べ。
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正答 1・4・5
がんの末期で自宅に戻って最期を迎えたいと希望するAさんと、それに沿いたいが不安を抱える夫について、の依頼を受けたの初回面談の対応を問う事例問題です。
ポイントは次の3つです。
- 面談の段階でまず行うのは、本人と家族の思いを聴き取ることです。Aさんが自宅でどう過ごしたいのか、夫が何に不安を感じているのかが分からなければ、支援は組み立てられません。
- 本人の希望が明確にある以上、家族の負担だけを理由に方針を差し替えることはできません。不安の中身を具体的に確かめ、それを解消する手立てを一緒に探すのが介護支援専門員の役割です。
- 自宅でのには、24時間対応できる医療の裏づけが欠かせません。地域で看取りに対応している診療所の情報を集めることは、実現可能性を確かめるうえで必要な準備です。
したがって1・4・5が、より適切な対応です。
選択肢ごとの解説
- 〇適切です(正答)。夫の不安が、医療的な処置なのか、夜間一人になることなのか、急変時の対応なのかによって、用意すべき支援はまったく変わります。不安を漠然としたままにせず具体的に聴き取ることが、在宅での看取りを支える第一歩になります。
- ✕不適切です。この設問は、Aさんと夫との面談を進める段階の対応を問うています。まず本人が希望する過ごし方や夫の不安を把握し、地域で在宅の看取りを支える医療機関の情報を集めることが優先されます。嘱託医が退所後の訪問や看取りに対応できるかは示されていません。退所後の医療は、本人の意向と医師の対応体制を確認して調整します。嘱託医であることだけを理由に、担当する医療機関が必ず変わるわけではありません。
- ✕不適切です。Aさんは自宅で最期を迎えたいと明確に希望しており、夫もその希望に沿いたいと考えています。夫の負担を理由に施設での看取りへ差し替えることは、本人のを尊重する姿勢に反します。まず不安の中身を確かめ、それを支える方法を検討する順序になります。
- 〇適切です(正答)。自宅で最期を迎えたいという希望の中身は人によって違います。どの部屋で過ごしたいのか、誰に会いたいのか、何を大事にしたいのか、といったことを本人から直接聴き取ることが、残された時間の過ごし方を支える計画の土台になります。
- 〇適切です(正答)。がん末期の在宅での看取りには、24時間対応できる在宅医療の体制が欠かせません。Aさんの自宅がある地域で看取りに対応している診療所やステーションの情報を集めることは、希望を実現できるかどうかを見極め、夫の不安に応えるためにも必要な準備です。